石川県は、検証の一つとして、「石川県による流出計算の結果との比較」で、雨量から流出計算で求めた過去の洪水と基本高水ピーク流量を比較しているが、最大規模の洪水と比べて著しい差があり、基本高水ピーク流量ははるかに大きいが、比較だけに終わっている。
裁判所の判断は、「約70年分の観測記録をもとに実施されているところ、本件事業に係る計画規模が年超過確率100分の1であることに鑑みると、本件基本高水ピーク流量が前記流出計算によって算出された最大の流量値を上回っていたことをもって、直ちに本件基本高水ピーク流量の値が過大であるとはいえない」(p.121)としている。100年に足りないデータだから、100年確率をこれだけで評価できないとし、基本高水ピーク流量が過大か、適正かを判断することを放棄しているだけであり、結局、検証していないということを是認している。
石川県が計画を策定した段階でデータの蓄積は十分であり、非毎年最大流量を持って流量確率評価をすることができる。控訴人が試算した結果では、100年確率値は、1,269m3/秒である。飽和雨量0mmと仮定した数値であるので、これを飽和雨量100mmに換算すると、964m3/秒となる。これが、昭和17年から平成10年までの57年間の雨量データから求めた100年確率値となる。
このような判断は、常識的な範囲のものであり、尽くすべき考慮が尽くされていないと判示すべきで、合理性があり、公益性があるとの判断はできないので、法20条3号要件p.99-100を満たしていない。
裁判所の判断は、「約70年分の観測記録をもとに実施されているところ、本件事業に係る計画規模が年超過確率100分の1であることに鑑みると、本件基本高水ピーク流量が前記流出計算によって算出された最大の流量値を上回っていたことをもって、直ちに本件基本高水ピーク流量の値が過大であるとはいえない」(p.121)としている。100年に足りないデータだから、100年確率をこれだけで評価できないとし、基本高水ピーク流量が過大か、適正かを判断することを放棄しているだけであり、結局、検証していないということを是認している。
石川県が計画を策定した段階でデータの蓄積は十分であり、非毎年最大流量を持って流量確率評価をすることができる。控訴人が試算した結果では、100年確率値は、1,269m3/秒である。飽和雨量0mmと仮定した数値であるので、これを飽和雨量100mmに換算すると、964m3/秒となる。これが、昭和17年から平成10年までの57年間の雨量データから求めた100年確率値となる。
このような判断は、常識的な範囲のものであり、尽くすべき考慮が尽くされていないと判示すべきで、合理性があり、公益性があるとの判断はできないので、法20条3号要件p.99-100を満たしていない。