この著書から脳裏に留めておく記憶と感想(その5)
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(91頁)「戦争に負けた直後の昭和20年9月の時点では、日本人には戦争への反省の意識はなかったことがわかります。それが今日にいたっては、自虐的にすべて日本が悪かったのだと謝罪を繰り返すようになっています。そのような意識が醸成されたのはどうしてなのかといえば、ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムの影響があるのです。」
「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(戦争有罪性を日本国民に植え付ける計画)」の目的は、
東京裁判が「倫理的に正当」であることを示し、「侵略戦争」を行った「日本国民の責任」を明確にし、自虐意識を植え付けること。
戦後の日本人に罪の意識、自虐意識は全くなかった。
何とかして日本人全体に罪の意識を植え付けるための洗脳工作は、
具体的なGHQの工作は、つぎのようなものである。
①教育、②放送、③新聞、④映画、⑤分割統治のための勢力の支援
①教育にかかわる工作
昭和20年10月から12月にかけて、四大指令。
●第一指令「日本教育制度に対する管理指令」では、
GHQは文部省を通じて政策を実施。
GHQの意向にそった(法律)教育基本法を強制され、セットの(道徳)教育勅語の廃止も強要された。
戦前の日本を全否定して、GHQの思うとおりに書き直しされた「(文部省の)新教育指針」の一節
、、、われわれはつぎにこれらの欠点、弱点をあげてみよう。
(一)日本はまだ十分に新しくなりきれず、旧いものが残っている。
(二)日本国民は人間性・人格・個性を十分に尊重しない。
(三)日本国民はひはん的精神にとぼしく権威にもう従しやすい。
(四)日本国民は合理的精神にとぼしく科学的水準が低い。
(五)日本国民はひとりよがりで、おおらかな態度が少ない。
これからどうしたらよいか、、、、
⇒ まるで、日本国民は幼稚で馬鹿だと罵っているようなものだ。
これと同じ文脈で、マッカーサーが「日本の精神年齢は十二歳」、「精神の再復興と性格改善が行われなければならない。まず精神から始めなければならない」などと言い放った。
●第二指令「教員及び教育関係者の調査、除外、許可」では、
思想調査してGHQの政策に反対する者を教職追放、羽仁五郎を指導して日教組をつくらせた。
●第三指令「神道指令」では、
学校で神道行事を行うことを禁じ、神道や皇室について教えることを禁じた。
●第四指令「修身、日本歴史及び地理の停止」では、
米国製の『太平洋戦争史』を学生の教材とすることを命じられた。
とくに問題ないと評価されていた「修身」という教科だが強い圧力があり停止され、その結果、戦争につながる危険なものというマイナスイメージが植え付けられた。
教科書検閲の基準(昭和21年2月4日)で削除された用語は、
・天皇に関する用語(現人神、大君など)、
・国家的拡張に関する用語(八紘一宇、躍進日本など)
・愛国心に繫がる用語(わが国、国体、国家など)
・日本国の神話の起源や、楠木正成のような国家的英雄および道義的人物としての皇族
・神道や祭祀、神社に関する言及、等々
●国旗・国歌の件
(GHQの脅しの効き目があって、)
国家「君が代」は禁止されていなかったが、文部省が自主的に教科書から削除。
(右翼か、国粋主義者という印象に洗脳された結果、)
国旗は一時的に禁じていたが、昭和24年に自由に掲揚することを許可したが、ほとんどの国民は掲揚しなくなった。