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犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

公共土木事業談合>志賀町談合裁判の判決で談合と認定

2014年03月14日 | 公共土木事業談合
 志賀町談合裁判で、2014年2月27日に金沢地裁の判決があり、工事1件に談合があったと認定した。北陸中日新聞web版を後掲。

 裁判長は、270件のうち、1件についてのみ認めた。のこりについても、疑わしいが、疑わしいだけでは罰することができないとも述べた。

 これに対する、被告である志賀町が対応を決めたようだ。
 北陸中日新聞2014.3.14によれば、志賀町は「談合があった」とした判決に対して、被告の志賀町は町の主張が認められたとして控訴を止めた。270件のうちの1件だけが談合と認定され、「町の主張はおおむね認められ」たと宣言した。

 裁判所は、談合しているかどうかを直接、調べるわけではない、警察が調べて検察が持ち込んだ証拠書類を調べて疑いが無く合理的と判断すれば事実として認定して談合と断定するが、事実でないかも知れないという疑いが残れば罰することをやめる。「疑わしきは罰せず」である。

 であるから、残りの269件について談合がなかったと認めたわけではなく、談合と断定できないといっているだけである。「談合の事実はない」としていた主張が否定されたのであるから、控訴するのが理屈である。主張が否定されたが、実害が少ないので矛を収めたというところか。

【ニュース】
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2014022802000199.html
志賀談合 1件認定 地裁、270件中 前町長関与は認めず
2014年2月28日

 石川県志賀町が発注した公共工事で談合が行われ、工事価格がつり上げられた結果、町が損害を受けたとして、市民団体「オンブズマン志賀」のメンバーが小泉勝町長に対し、細川義雄前町長と落札業者二十六社に約十七億七千万円を返還させるよう求めた訴訟の判決で、金沢地裁は二十七日、建設業者「寺沢組」(同町)に約二百九万円の支払いを請求するよう命じた。細川前町長の関与は認めなかった。
 原告側は、一九九五~二〇〇八年に町が発注した工事のうち、落札率が96%を超える二百七十件の入札で談合があったと主張。落札価格の15%を損害金として、支払いを求めていた。町側は「談合の事実は存在しない」と反論していた。
 源孝治裁判長は、別の工事をめぐる談合事件の刑事捜査の過程で作成された関係者の供述調書を根拠に、〇五年八月に寺沢組が落札した農業集落排水事業の工事一件(落札価格約二千六百万円)で「談合があったと認められる」と認定。損害額は、談合発覚前後の落札率などから、落札価格の8%が相当とした。
 ほかの工事は「落札率の高さは談合の存在を推認させるが、それだけで談合の存在を認定できない」と説明した。
 小泉町長は「町の主張がおおむね認められたものと考える。今後は動向を見守りながら適切に対応していきたい」とコメントした。現在、寺沢組の代表を務める男性(49)は「なぜ、うちだけがという思いはある。町には控訴してもらいたい」と話した。

【参考】「疑わしきは罰せず」ウィキペディアより
「疑わしきは罰せず」(うたがわしきはばっせず、ラテン語:in dubio pro reo)は、刑事裁判における原則である。ラテン語の直訳から「疑わしきは被告人の利益に」ともいう。刑事裁判においては検察側が挙証責任を負うが、被告人が不利な内容について被告人側が合理的な疑いを提示できた場合には被告人に対して有利に(=検察側にとっては不利に)事実認定をする。
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公共土木事業談合>関電、東電の社員が送電線工事金額を業者へ漏らしていた!

2014年02月18日 | 公共土木事業談合
われらが北陸電力ではそんな不正はないはずだ!

北国新聞、北陸中日新聞の2014年2月1日朝刊で、関電社員が送電線工事の予定価格を業者に教えて談合を助長したとして、公正取引委員会が独禁法を守る措置をとるように関電に申し入れたというニュースが報じられた。金沢市内の業者も課徴金納付命令が下されている。公正取引委員会は昨年12月、東電にも同様の申し入れをしているとのことである。



 辰巳ダム湖に接する鴛原超大規模地すべり地周辺で北陸電力送電鉄塔の移設が行われて6基の送電鉄塔が移設された。これは辰巳ダム建設工事の調査によって明らかになった地すべり地形のためであるが、北陸電力はこれを認めず、平成24年1月に国へ提出した「工事計画届出書」には、「平成17年7月に(中略)第59号鉄塔下方の市道法面が一部崩壊したため(中略)、法面崩壊が進行すると鉄塔の地盤安定性確保が困難となる可能性があるため」としている。

 今回の送電線路中央幹線(城端開閉所~加賀変電所)の工事は、56号鉄塔から63号鉄塔の2.58km区間で57号から62号の6基が移設された。鴛原超大規模地すべり地の末端に位置する鉄塔は、60号鉄塔であり、北電が移設の理由にした59号鉄塔は、一つとなりの城端よりの鉄塔である。
 6基も移設すると10億円ほどの費用がかかると予想されるが、1基を補強するための費用にくらべて膨大と感ずるのは当方だけだろうか。

 この工事に関して北電の支社に尋ねても口が固い。北電担当者の答えは、「工事に関することは一切お答えできかねます。」の一点張りである。
 それではと、国へ情報公開したが、金額に関しては異常にガードが固い。明細金額は項目も公開しない、全体の概算金額も公開しない、その理由は、「、、、工事費概算額に関する情報であり、公にすることにより、当該施設の入札に関する情報を外部に知られ、適切な入札を行えなくなるおそれがあるなど、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利害を害するおそれがあることから、」という。(もうとっくに入札は終わっているぞ! 工事期間は、平成24年3月~平成25年12月で北陸電気工事(株)が請け負っている。)

 というように、水も漏らさない体制にある。だから、北陸電力が発注する入札では、予定金額を外部へ漏らすなどの違法行為は絶対にあるはずがない!
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談合>辰巳ダムの地すべり対策(その3)― 不明朗な斜面安定対策工事で浪費されたのは6千万円! ―

2011年12月15日 | 公共土木事業談合
 鴛原、瀬領、駒帰3カ所、それぞれ10工区、6工区、2工区の合計18工区について「入札結果報告」を石川県に対して公開請求したところ、石川県が発注する工事の入札結果は、平成21年度から、石川県入札情報システムで公開されていることを教示された。入札に関する予定、結果がすべてわかることになっている。

 瀬領についてさらに2工区の追加があり、全部で20工区である。前回作成した表に加えて「辰巳ダム貯水池周辺斜面安定対策工事(貯水池内法面工事)入札結果一覧表」(表1)を作成した。発注された工事の総額は、4.59億円ではなく、4.97億円となっている。
表1
 各工区の予定価格(税込み)、最低制限価格(税込み)、落札価格(税込み)、最低/予定(予定価格にたいする最低制限価格の比率)、落札率(予定価格に対する落札価格の比率)について図化したものが、「辰巳ダム貯水池周辺斜面安定対策工事の入札結果」(図1)である。左の縦軸が価格(百万円)、右の縦軸が最低/予定と落札率を表す比率(%)である。
図1
 最低/予定の折れ線を見ると82%付近にあるのに対して、落札率は93%から95%付近となっている。駒帰1工区と駒帰2工区の2件については、落札率が最低/予定の率に一致している。
 
 最低制限価格は、発注者が当該契約の内容に適合した履行を確保できるものとして算定した価格であり、駒帰の2工区については応札者がこの価格でも採算があうものとして落札したと考えられよう。他の工区の最低制限価格についても同様の水準に設定されていると考えれば、落札率93%から95%は高すぎるのであり、競争制限が行われている可能性が高いことが明らかである。

 最低制限価格の総額(437百万円)と落札価格の総額(497百万円)の差(60百万円)が浪費された金額である。

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談合>談合は必要悪か

2011年12月14日 | 公共土木事業談合
(談合は悪で必要もない)
 談合は、取引を話し合いで決め、競争しないことである。この行為は「独占禁止法」による違法行為であり、「悪」である。資本主義の市場経済においては健全で公正な競争状態を維持することが社会全体の利益を大きくすると考えるので競争を妨害する行為を禁止しているのである。
 競争しないと社会全体の出費が大きくなり、社会全体の利益が損なわれる。社会全体に取って談合は必要ない。

(談合が必要となるのは)
 必要と考えるのは、競争しないことで恩恵をこうむる集団である。当該集団にとって、競争で安い価格で受注することは、集団全体の利益が小さくなることを意味している。競争をやめて話し合いで決めることにすれば、集団全体の利益は最大になるのである。集団全体の利益が最大になることは個々の構成員も利益が最大になることに通じるので、談合は必要と考えるのである。

(談合は悪ではない「村の掟」)
 競争しない利益を共有する集団が、○○村社会などと揶揄されることがある。村社会では、利益を最大化するために競争しないで談合し、構成員の競争活動を規制する「村の掟」ができる。したがって、「村の掟」に定めるとおりに談合することは「悪」ではない。
堅い結束で、「村の掟」を破る者は、村八分になることもある。

(談合は悪)
 談合は必要で悪ではないという「村の掟」は村でしか通用しない。談合は悪であるという法律が優先して罰せられるのである。
「談合は必要悪」ではなく、「談合は悪」である。
コメント (2)
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談合>北河内ダム建設工事入札結果―談合はあったか―

2011年12月13日 | 公共土木事業談合
 北河内ダムの本体工事の発注は、平成17年に行われている。この時点の入札では、技術力などの要素を含めて評価する「総合評価方式」は採用されておらず、価格だけで評価される方式である。最低制限価格を下回れば失格する「最低制限価格方式」ではなく、ただちに失格することはない「低入札価格調査方式」がとられている。

 「入札結果報告」によれば、発注者が見積もった予定価格(税抜き)は48.04億円、11の特定建設工事共同企業体(以下、(特企)と略す。)の入札価格は46.60億円から47.70億円である。予定価格(税抜き)に対する各入札価格の割合は、97から99%の範囲にある。鹿島(特企)が最低価格46.60億円で落札し、落札率は97%となった。(表1)

 全国市民オンブズマン連絡会議は「90%以上は談合の疑いがあり、95%はその疑いが極めて強い」と指摘しているが、この考え方に従えば、北河内ダムの入札結果は、談合の疑いが極めて強いことになる。談合はあったと言えるのだろうか。「入札結果報告」だけで談合があったかどうかわかるはずもないが、恣意的な判断があったとすれば結果になんらか反映されていることはありうる。

 この入札結果を図化するとつぎのようになる(図1)。
 横軸が11の(特企)、左の縦軸が入札価格、右の縦軸が落札率(正確には、税抜きの予定価格に対する各入札価格の比率)を表している。赤線で予定価格(税抜)と低入札調査価格(税抜)を示している。この図を一見すると、11の(特企)が激しく競争しているように見える。少し配置を変えてみる。

 入札価格の順に並べて図化したものである(図2)。
この図を見ると、上限と下限があってその中で適当に入札価格を決めたようにも見ることができる。上限は、発注者が決めた予定価格であり、下限は鹿島(特企)が決めた入札価格である。応札者がいくつでも限りなく上限へ近づいていくのである。この場合、鹿島(特企)以外、何としても落札したいという意志はないということになる。ただ、そう見えるだけで何の根拠もない。談合があったとはとても言えない。

 競争入札であるから、応札者は競争で何とか落札したいという意志があるはずである。これらの入札価格から、応札者の意志を推察してみる。予定価格をいかに正確にあてるかの競争であれば、落札率99%となっている6(特企)はかなりいい線をいっていると言えようが、ここでは、発注者が示した工事内容に適合した履行をするためにどれだけ安くできるかの競争をしているのである。落札率99%となっている6(特企)は1%程度しか安くすることはできないと意志を示しているのである。落札率98%となっている3(特企)はわずかなら安くできる、落札率97%となっている2(特企)は少しなら、3%ほどなら安くできるという意志表示をしているのである。

 この入札では、少しだけなら安くしてあげますよと言う鹿島(特企)に発注することになったのである。こんな少しの値引きなら、わざわざ競争入札をする必要はないような気もするし、競争入札で11(特企)の応札があり、仕事をしたいという希望が多いのだから、発注者はもっと強い態度にでることはできないのだろうか。入札条件をいかようにも変えることができる発注者がそんなに弱い立場なのだろうか。少しなら値引きしてあげるという(特企)にお願いして仕事をしてもらわなければならないのだろうか。

 発注者は、予定価格のほかに、低入札調査価格を決めている。「当該契約の内容に適合した履行を確保するため」(地方自治法施行令167の10)という主旨があり、これ以下の金額では期待する品質を確保できないと考えている。逆に言えば、発注者はこの価格以上であれば、当該契約の内容に適合した履行を確保できるものとしてはじきだしたものである。そうであれば、自信を持って、もっと安くならないか交渉できるのではないか。それをしないというのは、発注者もぐるになって安くならないようにしているのではないかという解釈もできる。発注者ぐるみの談合である。

 競争入札でほとんど値引きしないよというのであれば、わざわざ応札するはずがないのである。ほとんど値引きしないけど仕事をしてあげるよという鹿島(特企)がいて、ほかはおつきあいである。
「談合はあった。」と結論します。
 あなたは、どう思いますか。
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