「個人主義」というのは、西欧から持ち込まれて、戦後はやりのイデオロギー。
個人に何よりも高い価値が与えられる、個人の自由が最大限に尊重されるので、我が強い人によってはとても有難い考え方(-_-;)
科学技術が進み、人々の豊かさが増した先進国の社会において、
個人が自由にバラバラとなって、
人々が放縦で自己本位になり、
個人を縛る、伝統社会に根ざした習慣、考え方などは敬遠される。
例えば、家族は解体すべきもので、家父長制や結婚儀礼などは個人を家に縛るもので封建的で古い、夫婦別姓でいいなどと主張する者もいる。
また、伝統社会に根ざした習慣は「歴史的堆積物」という滓であり、古い鎖であり、いずれ、投げ捨てられて、伝統社会に根ざした習慣が消滅することで、伝統社会が解体していくと予測する学者もいる。
だが、人は社会的存在、生まれ育った国や母国語や家族や組織や社会から完全に自由な「個人」などいない。
特に、わが国の文化として、特に醸成してきた家族の固い絆の中で育ってきた。
家族の一員として拘束されていることは、逆の面を見れば、保護されていることであり、物事の裏表である。
家族の一員として保護されながら、個人の自由を最大限に用いるのが妥当なところだろう。
伝統的に作ってきたしくみを捨てて、西欧のしくみを安易に取り入れることは慎重にしたほうが良い。