犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

【令和6年能登半島地震】屋根瓦の補修

2024年10月02日 | 能登半島地震
 地震後、すでに9カ月が過ぎた。
 地震の揺れで損壊した家屋の多くで、屋根瓦にブルーシートがかかったままだ。
 地元の業者は手一杯で仕事がすすまない上に、全壊/半壊の家屋の解体が進み、新築の工事が始まると職人の多くがかかりっきりとなって、一部損壊、準半壊の屋根の補修はますます進まなくなっている。
 
 損壊の様子を調べて見積もりを作ってもらうこともできない。
 相互扶助社会はいいのだが、仕事が集中するようになると、知り合い、親戚などが最優先のコネ社会でよそ者には辛いことになる。  
 冬の前に直さないと積雪による被害が心配になる。
 冬は屋根仕事は無理で来年に持ち越しになる。
 積雪でブルーシートが損傷すれば雨漏りすることになるので不安を抱えたまま、一冬を過ごさないといけない。
 
 我が家は、県外から柳田に在住して仕事をしている瓦屋さんにお願いすることにした。
 まずは、見積もりをしてもらうことを依頼。
 その瓦屋さんは、なかなか近代的(^^;)
 ドローンを飛ばして屋根瓦の状況を撮影。
 依頼した瓦屋さんは常識だと言っていたが、地元の業者の方でドローンを活用しているなんてことは聞いたことがなかった。
 田舎では、競争がないので新技術が導入が遅れるのだろう。

 従来のやり方では、
 屋根に上って調べる必要がある。
 屋根に上って調べるのは一仕事で、午前中は露が下りているので滑りやすい、露が無くなっても天気がよくないとできない、などと条件がついて、状況調査も簡単ではない。
 対して、ドローンは上る必要はなく、露が下りていようが、少々天気が悪くなっても撮影が出来て、撮影したファイルを印刷あるいはタブレットで確認できる。
 技術革新の時代だ(大袈裟かな(^^;)

 面と面の交差する部分の棟瓦(屋根の尾根に沿って配置する瓦)が少しずれて、雨漏りの原因になっていることがわかった。
 今後の居住期間を考慮して、カバーで覆って固定する方法で補修することにした(簡易な方法だが10年ほどの耐久性があるという)(^^)/


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【能登半島地震】令和6年能登半島での生活インフラの復旧

2024年09月17日 | 能登半島地震
(電気の復旧)
 能登町、特にその内の旧柳田村では、山間に小集落が点在している。
 集落間の生活道路に沿って電力線が通じている。
 今回の地震では、倒木や斜面崩壊による電柱の傾倒によって長期に渡り、電力が不通となった。
 生活インフラの内の「電力」は早期に回復するといわれていた。
 村の中心の地区では、地震後、短時間で回復したところもあったが、集落によっては、回復に2カ月かかった。
 住民が望んでいるわけではないが、これでは過疎化、集落消滅を促進することにもなりそうだ(-_-;)

(上下水道の復旧)
 今回の地震では、幸い、上下水道ともに基幹となる浄水・処理施設の被害は少なかった。
 各家庭と基幹の施設を結ぶパイプ、管路施設の被害が多数発生。
 1995阪神大震災、2011東日本大震災、2016熊本地震と比較してかなり大きい。※

 「上下水道地震対策検討委員会・中間とりまとめ」では ※※
 ●耐震化未実施であった基幹施設等で被害→ 広範囲での断水や下水管内の滞水が発生→ 復旧の長期化
 この点は、いずれの地震においても指摘されてきたこと、
 また、
 ●「避難所」など重要施設に係る上下水道管路の一体的な耐震化
 と指摘したが、災害時の「避難所」だけは非常用の水と電気を確保するため、優先して実行してほしいところだ。
 今回、一部で、可搬式の飲料水供給設備、汚水浄化プラントの支援が注目。
 そして、
 ●国が上下水道一体の全体調整を行い、上下水道一体で復旧支援する体制の構築
 とした。
 上水道は厚生労働省、下水道は国土交通省、集落排水事業は農林水産省、浄化槽は厚生労働省の管轄であり、バラバラが復旧の支障の一つ。
 今後は、上下水道を国土交通省が統一して管轄する方向になるようだが。

 これまでの生活インフラの方向は、「広域化」、経営の「合理化」を進め、さらに「民営化」だったが。
 思いつくままに、
 「広域化」→ 進めるにあたっての留意事項は、
 人口減少、住家減少を踏まえ、集合処理するのではなく、柔軟に各戸の浄化槽を整備することも肝要。
 広域化が進むほど、連絡網が寸断される危険が高まり、全体の機能が低下する。
 「合理化」→ 効率的ではないにしても、管路をループ化して断水になりにくいシステムも必要。
 「民営化」→ 上水道の復旧に、輪島市へは東京都の支援、珠洲市へは名古屋市の支援が入ったが、公営であるから、支援が容易に進んだ。
 責任ある維持と災害対応を民営に求めにくいのではないか。
 
※ 上下水道地震対策検討委員会 中間とりまとめ 令和6年5月29日
https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo13_hh_000572.html
 
※※ 上水道管路の被害率(管路kmあたりの修理が必要な被害個所数)
 珠洲市(2.09):神戸市(0.32):仙台市(0.07):熊本市(0.03)


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【能登半島地震】能登半島地震災害で受けた支援を振り返る(その6)

2024年09月09日 | 能登半島地震
④想定外のこと
 思いもかけない、いろいろなことが起きる。
-1)相方の体のトラブル
 痛みのため、一日中寝込むハメに。
 高齢化、被災によるストレスの影響もあるのだろう、突然、相方が鎖骨周辺の痛みはじめて片腕が動かせなくなった。
 病気ではなく、長年の体の歪みの所為ではないかと判断、6、7,8月と3カ月の間、かなり遠方(片道30キロ弱)の接骨院へほぼ毎日の通院。
 8月に入り、手が動くようになり、何とか回復(~_~;)

-2)訃報
 親しくしていた友人が、不慮の事故でなくなった。
 地震から半年以上経っての事だったが、
 被災家屋の屋根瓦の補修が職人不足で進まない中、気にかけていた屋根瓦の一部を補修するために上った屋根から転落して亡くなったとのことだ。
 災害の関連死_(._.)_

-3)車のこと
 我が家の自家用車の地震による被害は、かすり傷程度だったが、
 災害後、悪路を毎日、長距離走ったため、マフラーが脱落。
 車の点検・補修を含め、マフラー全体を交換して15万の出費。

ところで、もと水道技術者として気になるのは、下水道のこと。
あちこちでマンホールから下水が漏れ出している。
下水道は、上水道と異なり、修復に手間取る。
〇上水道は、簡単にいうと、各家に圧力をかけて水を送るシステム。
 地形に関係なく一定の深さで埋設されているので工事がやりやすい。
 その上、圧力をかけて送水されているので、少々、縦断的に管が波打っても水は流れる。
 損傷し水漏れしているところは水が噴き出すので容易にわかる。
 修復が比較的容易。
一方、
●下水道は、各家で発生した汚れを水の流れを使って集めるシステム。
 川の流れと同じようなもので自然の流れによって一定の勾配をもって流れる。
、地表の傾きとの差で埋められている管が深くなったり浅くなったりする。
 深くなると工事が容易でない。
 さらに、地中の管の穴や壊れて隙間ができているところは道路陥没が進まないとわかりにくい。
 今回の地震では、地表がひどく揺さぶられ、下水管の縦断の傾きが変形して水の流れが悪くなった。
 その結果、あちこちでマンホールから、下水が漏れ出している。
 下水道を修復は、下水の漏れている箇所だけ直しても解消しない、波打った、縦断的な傾きを元通りにするには区間全体を造りなおさないといけない。
 したがって、ほかのインフラに比して、著しく費用と時間がかかる、急いでも数年かかりそうだ。
 そうなると、道路の舗装も二度手間を掛けたくないとすると、その後になるのかもしれない(-_-;)、

などなどの想定外のことがあり、9月に入り、
 畑で秋野菜の種蒔き(大根、蕪、白菜)。
 夜中にイノシシ家族が出没するので、畝が荒らされてデコボコになったが、そこらここらで発芽。
 畝に糠をすき込んだのでこの匂いに誘われたらしい。
 イノシシは嫌がらせで荒らしているのでなく、単に餌を探しているだけ、餌が無いとわかられば寄り付かないから、荒らされたところに再度、種蒔き。
 緑野菜は関心がないらしい。 
 それで、レタスも追加で種蒔き。

まもなく、栗と零余子が実る ※
 いずれもイノシシの好物。
 夜中に栗拾いにやってくる、なるべく来てもらいたくないので毎朝夕、栗拾いで忙しくなる。
 お気に入りの餌場になると昼間、親子連れで来たりする。ちなみに子連れの母親は警戒心が強く、狂暴(-_-)
 
※零余子(むかご): 山芋の葉の付け根にできる球状の芽(球芽)のこと。イノシシの好物は山芋そのもの、掘り起こして食べる。
(終わり)


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【能登半島地震】能登半島地震災害で受けた支援を振り返る(その5)

2024年09月08日 | 能登半島地震
 思いつくままに頭の整理をしている(^^;)

 自宅の風呂が不自由だったので、自衛隊仮設風呂は有り難い。
 仮設と言っても温風で温められた脱衣場があり、湯船も5,6人が同時に入れるほどの大きさ、洗場の使い勝手も銭湯と変わらない。 
 自衛隊仮設風呂が5月の初めに撤退した後は、社会福祉施設の風呂、国民宿舎の風呂が被災者へ無料開放、9月一杯提供されるとのことだ。

●片付けと補修のつづき
 は沢山あるが、(-_-;)
 以前の状態に復するだけで、マイナスが減るというだけのことだから、どうも意欲もわかない。
 体力も気力も落ちている上に、気温も低い(-_-;)
 
 生活に直接の影響は少ないが、家屋のそこらここらが傷んでいる。 
 ・玄関の入り口(木組みの歪みのため扉枠破壊)、
 ・外壁(漆喰壁の漆喰の脱落が多数)、
 ・内壁(壁紙、べニア板の剥がれ、漆喰壁の崩れ、が多数)、
 ・建具(倒れて損傷、枠の外れなど)、
 ・縁側(の基礎が損傷して廊下の傾斜)、
 ・ガラス戸(内外のガラス戸の破損が多数)、
 ・屋根瓦(納屋の軒先脱落、母屋の棟瓦は無事だったが、ところどころ外れたり、ひび割れ)
 ・書斎(本棚、本が散乱して滅茶苦茶、地震のときにここに居たら、大けがしただろうなあ(-_-;)
 ・アトリエ(作業場の片付け)

 4月に入り、やや生活が落ち着いたので片付け作業などと並行して従来の田舎暮らしを始めた。
 ①つきあい、 ②田舎暮らし ③片付け
 5月の末に想定外のことが発生。 ④想定外

①つきあい
 よそ者が田舎暮らしをするには、村交じり(むらまじり)が要。
 →よそ者の定義:当地で生まれ育っていないこと、ということは死ぬまでよそ者。
 →村人どおしは、大別して二種類、
  ⇒〇生まれた時からのつきあいですべてを知っている家族のような友達関係、
  ⇒●あるいは何かの拍子で諍いが生じて仲違いをしている険悪な関係→個人だけではなく、家代々の対立も結構ある!
 当方は、民謡と謡曲の集まりに参加。
 4月から集まり参加、4月は被害情報の交換会で終わった(^^;)

②田舎暮らし
 毎日の炊事・洗濯・掃除などのほかに、薪集め、草刈り(5~8月)、畑仕事、山菜や竹の子の収穫、屋根のペンキ塗り、墓掃除など結構忙しい。
 田舎暮らしに「チェーンソウ」と「草刈り機(刈払い機)」は必須。
 →近所のメンテナンスを頼んでいた人も被災したので、止む得ず自前で草刈り機のメンテナンス、何とかできた(^^)/
 春の野菜作りは途中の手入れができず、全滅。
 南高梅は大豊作だったが、余力が無くて、梅ジャムだけ、梅干しづくりは断念。

③片付け
 ボランティアの支援を受けながら、継続。

☆ボランティアの方々には、家の片付け、清掃、災害ゴミの搬出、に加え、
 破断した宅内水道管の修繕をしてもらった。
 別々に2カ所、それも遠方から休日を利用しての支援。
 こんな人たちがいるのだなあと感心、縄文の昔から、災害の多い日本列島でみんなが助け合いながら生きてきた。
 日本がいざとなると、団結するのはこのような歴史的な積み重ねの上に醸成されてきた国民性があったからだろう(^^)/

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【能登半島地震】能登半島地震災害で受けた支援を振り返る(その4)

2024年09月07日 | 能登半島地震
 金沢への避難は、1,2月の2カ月とすることにした。
 電気と水道、生活道路の仮復旧が、2カ月もすればある程度回復するだろうと想定したため。
 少なくとも、電気・水道が回復しないと再建のための活動ができかねる。
 元の住まいから遠距離の地に避難していたのでは、居住家屋の片付け、立ち直りが一歩も進まない。
 一日も早く戻らないと(-_-;)

 3月の初めに戻った。 
 近所への挨拶、近況などの情報を入手。
①生活道路、家屋の現状の確認など。
 生活道路➡道路状況は、アスファルトの亀裂、段差、凹凸が多数あり。車は通れるが、下水道管が損傷しているらしく、あちこちで路面が陥没。
  生活道路の途中では、山の斜面が大きく崩壊して道路を塞いだ後があったが、車が通れるように片側一車線の土砂は排除してあった。
  まだ、時折、積雪があり、移動が難しい。
 家屋の現状➡柱・梁などの構造は比較的健在、だが全体の歪みがあるので多くの戸が外れたり、動かず。玄関の戸は歪み、ガラスが脱落。家具等は室内に散乱。
  気温も低いので、片付け作業に意欲がわきにくい状態。
 水道➡水道はまだ不通(宅地内で漏水があるため、開栓できず)。
  山の水の水道は通じているが、建物と外部との境界で管が破断しているので、水圧が弱く、水洗、洗濯機は使用できず。
 電気➡電気系統は、一部、蛍光灯の脱落はあったが、使用できそう。
  電力会社へ通電開始を依頼し、通電後、漏電の有無を確認しながら、ブレーカーを入り。
  照明は回復。
 通信➡パソコン通信は、ADSLを利用していたが、アナログ電話の廃止にともない、3月末で終了した。
  その代わりとして、金沢でホームルーターを入手して、設置したので、パソコン通信が回復、スマホもWiFi接続。
 炊事と暖房➡熱源は、薪ストーブ、煙突は無事。。
 洗濯➡水道管の一部が破断しているので水道管の圧力がかからず、洗濯機が使えない。
  稼働している、遠方のコインランドリー通い。
 風呂➡お風呂は、近くの広場に自衛隊風呂が設置されたので自衛隊風呂通い。
 トイレ➡糞尿は、幸いと言うか、山の中の一軒家!でもあるので、毎日が雉打ち、お花摘み、、。
 
②片付けと補修。
 片付け➡家の中に散乱しているものを片付け、災害ゴミとして搬出。
  村の運動場近くに災害ゴミ集積場が設置されていたので、毎日、車(パジェロミニ)の後部にゴミを載せて40回弱の搬出、一カ月半ほどかかった。
  それでも、畳や布団などやや大型の災害ゴミがあるので、ボランティアセンターに依頼し、軽トラに5台分、搬出した。

 宅内水道管の修理➡水が不自由なのは困る。
  宅地内水道管の修理を村内の設備業者に頼んだが依頼件数が多すぎるのか、無しのつぶて。
  娘の紹介で、水道の配管の補修専門のボランティアに頼んだ。
  1カ所は、1日もかからず、修復できたが、もう1カ所は、下調べを含めて、4回ほど来てもらってやっと直った。
  ボランティアの方々は、関東や名古屋などの遠方から、週末を利用してやっているとのこと、依頼してから、2カ月ほど要した。
  なお、支援の人達に尋ねたところ、 
  →阪神大震災、東日本大震災、新潟地震、熊本地震などの災害が多発したことで、助け合いのための活動が盛んとなり、NPO法人などを通じて支援の人達が全国から支援にきているとのことだった。ありがたや(^^)/

 ボイラーの修理➡宅内の水道管は直ったが、今度は、温水ボイラーが動かないということがわかった。
  ボイラーを納入した業者の方に点検してもらったところ、鉄管の錆がボイラーのフィルターに詰まっていたことが判明、錆を除去したら回復。
  風呂の蛇口の漏れは、ホームセンターで購入した“シャワー付き混合水洗”を取り付け。
  これで、水回りは回復、めでたしめでたし(^^)/

 合併浄化槽➡外観の損傷はなし。ブロワーも稼働。浄化槽までの配管も支障は無いよう。
(つづく)

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