令和6年元旦の地震は、奥能登の山々の斜面をあちこちで崩壊させている。
見るところ、①植林した杉林による崩壊(杉の樹高に比して根が浅いので揺れで倒木したこと)、②地質年代が新しく、中新世の後に海底が隆起したので崩壊しやすい。
「柳田村史」によれば、
「人類が二本足で立つようになったのは百万年以前の昔であった。その頃大体能登らしいものが海から顔を出していたが人間は見当たらなかった。それより前の大昔は能登はまだ海底深く眠っていた。これは地質時代の第三期後半二千八百年もの大昔で中新世の頃である。この附近の山々の地層はこの時代には海底で堆積したものである。
北河内に近い忍には閃緑岩を見るし、剱地には一億八千万年とはかられている花崗岩を見るが、これ等は深成岩が頭を出しているものだから、この附近の第三期の中新世の山々を造っている新しい地層をはじめ古い層をとり除くとこの花崗岩類が横たわっていると推定される。」
1 しずかに海底に眠っていた。(中新世のころ、約2,300万年前)※
2 火山島が活動する。(輪島の鵠巣火山の噴火活動)
3 隆起して能登が誕生した。
4 浸食、運搬、堆積などがくりかえされる。
※ 中新世:約2,300万年前~約500万年前までの期間
ちなみに、鮮新世:約500万年前から約258万年前まで
更新世:約258万年前~1.15万年前まで
完新世:1.15万年前~現在まで