【日々是好日なり】菊理媛（ククリヒメ）は瀬織津比売（セオリツヒメ）だった！

　豊かな水源を守り司る、そして豊穣な収穫をもたらす神、水の神様として、
　白山神社に勧請して来ていただいたのが、菊理媛（ククリヒメ）。
　
　『日本書紀』にただ一度登場して、
　ククリヒメは、黄泉の比良坂（死の国と現世の境界）でイザナギに、
　「現世に戻ったら、黄泉の国の穢れを祓いなさい」
　と禊をするように助言した。
　禊の神様、つまり、祓い清め、浄化する神様である。

　祓い清めると言えば、罪穢れを祓う神事の際に唱えられる「大祓詞」に出てくる瀬織津比売（セオリツヒメ）である。
　この神様は、『古事記』、『日本書紀』に登場せず、謎の神様といわれている。
　だが、伊勢神宮の正宮の一画に祀られている荒祭宮の祭神の別名が瀬織津比売といわれており、非常に格の高い神様でもある。
　ひっそりとだが、意外に多く、あちらこちらで祀られているらしい。
　「千と千尋の神隠し」もこの神様が主要なモデルとなっているとか。

　大祓詞では、瀬織津比売（セオリツヒメ）としてあらわれ、もろもろの禍事（まがごと）・罪・穢れを清めて川から海へ流す神である。
　水の神様、川の神様、龍神ともいわれる。

　菊理媛と瀬織津比売は、実は同一神ではないか！
　謎の隠された、格の非常に高い神様、瀬織津比売が、菊理媛として表舞台に登場して白山神社の御祭神となって全国に広まっていったのではないか。