犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

辰巳ダム>相合谷遺跡と相合谷城跡が抹消あるいは別の場所に移された件について

2014年01月16日 | 辰巳ダム
--石川県情報公開審査会へ意見書を送付--
 何回か、遺跡の抹消、移動に関する理由を記載した文書の公開を石川県教育委員会に対して求めている。
今回も公開を求めたが、理由を記載した文書が公開されなかったので、石川県情報公開審査会に対して異議申立てをした。石川県教育委員会から審査会へ提出された「理由説明書」が当方へ送られてきたので、これに対して、意見書を作成して石川県情報公開審査会へ返信した。
 ホームページでも紹介してあり、すべての資料にアクセスできる。

その内容はつぎのとおりである。
→「意見書(実施機関の「理由説明書(諮問案件第235号)」に対する意見書)」【添付資料】
 その1:平成24年4月14日付け教文第118号「石川県史蹟調査カード」相合谷城址
 その2:『石川県遺跡地図』(1992年刊行)の遺跡番号01028相合谷城跡の「遺跡地図改訂カード」
 その3:宮本哲郎『石川県中世城館跡調査報告書Ⅰ(加賀Ⅰ・能登Ⅱ)』石川県教育委員会p.15

 内容の主旨は以下のとおり。
 公開された文書は結論だけであり、抹消あるいは移動の理由を記載した文書が公開されていない。結論に至った、経過を記載した文書があるはずであり、そこに抹消あるいは移動の理由が記載されているはずである。経過がなくて結え論がでるわけではない。経過がなくて結論だけがあるというのであれば、ウソあるいはデタラメもしくは捏造である。

 もともと石川県遺跡地図(1980年版)に登載されていた、2つの遺跡が辰巳ダム建設事業に係る、簡単な2回の調査によって抹消、あるいは移動してしまった。その根拠があるのかと情報公開で調べて見たところ、杜撰な書類しかない、まったく根拠がないといっても過言ではないことが判明した。

 もとの既に知られていた遺跡について否定的な根拠が得られたわけでもなく、かつ新たに提起された他場所の遺跡も根拠といえるものがなく、2重にこの遺跡の移動にかかる件について今のところ、重大な疑惑があるといわざるをえないのである。石川県教育委員会が辰巳ダム事業を行っていた石川県河川課の立場をおもんばかって不正をしたのではないかという疑惑である。このような疑惑をはらすためにもすべての文書を公開して不正はないということを説明しなければならないのである。

 いままでの経過は以下のとおりである。→いままでの経過(箇条書き2014.1.16現在)
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ダム問題>小中規模ダムの維持管理費用は!

2014年01月05日 | ダム問題
石川県の小中規模ダムの維持管理費用データを解析した結果は、
以下のとおり。
ダム総貯水容量によって年あたり維持管理および大規模修繕費用Yはつぎのようになる。
 300万立方メートルの場合 60~72百万円/年
 500万立方メートルの場合 64~76
 1000万立方メートルの場合 75~89
検討した資料は当方のホームページでアクセスできます。
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辰巳ダム>相合谷城跡と相合谷遺跡が抹消あるいは別の場所に移された件について

2014年01月04日 | 辰巳ダム
以前に、ブログ「辰巳ダム建設で青谷砦跡が破壊された?」(2012.3.18に作成)で紹介した件であるが、石川県遺跡地図(1980年版)に登載されていた「相合谷城跡」と「相 合谷遺跡」が石川県遺跡地図(1992年版)で「相合谷遺跡」が抹消され、「相合谷城跡」が別の場所へ移されたことについてである。

いずれも遺跡の土地の範囲が辰巳ダム堤体の一部が含まれている。辰巳ダム建設に関わり、石川県金沢土木事務所が石川県教育委員会埋蔵文化財センターへ埋蔵文化財の調査依頼によって調査が行われて遺跡を発見できなかった、そこで抹消あるいは別の場所に移動したらしいということまでわかっている。文化財課の担当者の説明でも、埋蔵文化財が確認されなかったので登録を抹消あるいは別の場所に移したものだという。

ところが疑問がある。今まで公開されて獲得した資料では、表面調査と2箇所のスポット的な試掘だけで判断されたことになっている。
まず、「相合谷遺跡」がこの調査だけで抹消されたとすればおかしい。なぜならば、登載されている範囲の一部を試掘して埋蔵文化財が出てこなかったからといって、遺跡の可能性は小さくなると言えても、遺跡ではないとはいえない。当初、遺物が発見されて相合谷遺跡と登録されたのであるから、この発見された遺物が偽物だったということが理由で抹消したのであれば納得できる。ところがそういう情報は得ていない。
また、「相合谷城跡」についても同様でスポット的な試掘で遺物が出てこなかったからといって城跡の可能性は小さくなるとは言えても城跡でないとは断言できない。別の場所※1で現在の場所※2よりも有力な発見があって有識者のお墨付きが得られたなどということならば納得せざるを得ないだろう。これについてもそのような情報がない。ないどころか、宮本哲郎氏は「城跡に結びつくような遺構はみあたらず、縄張り研究の面から当地を城跡とするには無理がある」と否定している。

※1 金沢市相合谷町と水淵町の境の山が城跡の範囲とされている
※2 辰巳ダムの管理事務所あたり

今までに石川県に公開請求して受領した資料の中には、この両遺跡に関して、いつ誰がどのように判断してこのような結論を出したのかに係る文書は見あたらない。何らか、この決定に関わる、何らかの文書を獲得する努力をしているところである。
2014.1.3,naka
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辰巳ダム>北陸電力の送電鉄塔の移設について(つづき)

2014年01月02日 | 辰巳ダム
――北陸電力が主張する鴛原超大規模地すべり地の末端に位置する鉄塔が撤去された理由――
鴛原超大規模地すべり地の末端に位置する送電線路の鉄塔の基礎部分の土砂崩落について、北陸電力は「いわゆる表層崩落であり末端地すべりを誘発するものではない」と主張して、表層崩落防止のための処置を施して問題は解決しているとしていた。石川県河川課も、大規模地すべり地で過去にすべった形跡はあるものの、ダム湛水にともなう斜面の安定解析の結果、安全率の低下は小さく、過去の事例からみて地すべり発生の可能性はなく、防止対策工はいらないと主張している(有識者の委員会でまとめられ、国が監修したマニュアル『貯水池周辺の地すべり調査と対策』によるものである)。

 ところが、北陸電力は、平成24年になると鴛原超大規模地すべり地を避けた新ルートで送電鉄塔新設工事を始め、平成25年には旧ルートの送電鉄塔の撤去工事を実施した(立て看板によれば、中央幹線鉄塔建替工事石川2工区、工事期間は平成24年3月2日~平成25年12月25日)。

 問題ないと主張していた北陸電力が、石川県の主張を否定する形となるような工事を始めたので、北陸電力が主張を変更したのかどうかを確認するために、北陸電力の担当者に直接、確認をすることにした。鴛原超大規模地すべり地の末端にある鉄塔(北陸電力の資料によれば、第60号鉄塔と称する)を移設するために、その前後で鉄塔を移設するのかということを確認するためである。

 鉄塔工事の担当である北陸電力石川支店送電工事チームの対応は、最初は現場の立て看板に記載されている情報に類するものについては説明があったが、その後は「工事に関することはお答えしかねます。」の一点張りで説明を拒否した。一般民間企業と異なり、公益に関与する半官半民のような存在だから、情報公開に関しても住民に対して役所の行政情報公開に準ずる対応をするのかなというように考えていたが、まったく検討違いであった。一般民間企業と立場はまったく同じであり、住民に対して立て看板で工事内容を知らせる以上の義務はなく、法律的な制約もないようである。工事にかかる費用は電気料金に上乗せしてすべての住民に負担をかけるのであるから、一般住民に対してもそれなりの説明があるかと思っていたが、まったく見当はずれであった。

 情報公開は、法的なしくみがある行政文書しかないので、行政にあたることにした。
 北陸電力が電力事業を行うにあたって、国へ届出を出し、許可を受けていることは明らかであるので、その控えが石川県へも送付されておれば、保有する公文書として公開できるため、確認の意味で請求してあたってみた。その結果は、送電鉄塔工事に関する図書は石川県にも金沢市にもないことがわかった。
 石川県に対して、「北陸電力による、加賀変電所から富山へ送電するルートのうちの金沢市鴛原地区付近で行われている送電鉄塔工事(中央幹線鉄塔建て替え工事)について、電気事業法の届け出に係る、その工事概要、ルートを変えて立て替えする必要が生じた理由、工事費用を記した文書」を公開請求(9月17日付け)したが、当該請求に係る公文書は取得していないためとして、「公文書不存在通知書」(10月1日付け)が帰ってきた。
 関連部署として考えられるところとして、環境政策課、建築住宅課、企画振興部エネルギー対策室などがあるが、いずれも関係図書はないという。例えば、環境政策課が関与する環境影響評価に鉄塔は対象にならないので関連図書はない、エネルギー対策室は工事に関係しないので送電工事の図書はないなどである。
 金沢市役所も同様の理由で無いようだ。関連する情報は、北陸電力のほかは、国以外ないということがわかったので、国へ行政文書開示請求することにした。

 北電送電鉄塔移設に関わる行政文書の開示請求の経過は、別紙のとおりである。送付や案内にすぐに対応したわけではないこともあるが、10月から12月まで3ヶ月もかかり、2つの文書を入手した。
 一つは、工事を必要とする理由が記載された「工事計画届出書」、もう一つは、工事費概算金額が黒塗りになった「整備計画表」である。
 「工事計画届出書」の3ページの「工事を必要とする理由書」に「平成17年7月に石川県金沢市鴛原町地内の第59号鉄塔下方の市道法面が一部崩壊したため、水位と傾斜の観測を行うとともに鉄塔の地盤安定性確保のための緊急対策として水抜きボーリングを行いました。今後、法面崩壊が進行すると鉄塔の地盤安定性確保が困難となる可能性があるため、安定した場所を選定し、第59号鉄塔を含む6基を新設する工事を行います。」とある。
 ちなみに、第59号鉄塔は、鴛原超大規模地すべり地の末端に位置する第60号鉄塔の東側、富山県側にある鉄塔である。今回、北陸電力が実施した工事は、鴛原超大規模地すべり地に位置する第60号鉄塔が原因ではない理由でなされていたのである。それとなく、第60号鉄塔も遠因になっているということも含めて誤魔化した文面となっている。
 第60号鉄塔では単なる表層崩壊で問題ないと主張していたのが、隣の第59号鉄塔では法面崩壊が進行すると鉄塔の地盤安定性確保が困難となると主張しており、二つの説明は食い違っており、ご都合次第で主張を変えているように見える。
 これに対しては、以下の行政文書の開示請求することにした。
 平成25年11月20日に開示決定通知「20131023公開北陸産保第1号」を受けた「工事計画届出書(275kV中央幹線の位置変更)」のが、鉄塔の地盤安定性確保が困難となる可能性があると判断の根拠となった文書である。
 また、もう一つの工事費概算金額が黒塗りになった「整備計画表」に対しては、工事費概算金額がどうしての不開示になるのか、秘密にしなければならないのかわからない、不開示の理由が記載されていたが理由になっていないので「異議申立」をすることにした。
異議申立ての理由はつぎのようである。
 不開示の理由として、「上記の不開示部分に係る情報は、当該法人の主要送電線路の工事費概算額に関する情報であり、公にすることにより、当該施設の入札に関する情報を外部に知られ、適切な入札を行えなくなるおそれがあるなど、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利害を害するおそれがあることから、法第5条第2号イに該当するため、これを不開示とした。」
とあるが、本工事は、すでに入札され、業者が確定して、工事が実施されている。その工事を確認した上で行政文書の開示を求めている。したがって、「工事概算金額に関する情報」は、入札に参加した業者間ではすでに公になっているものであり、すでに「入札に関する情報を外部に知られ」ているのであり、「適切な入札を行えなくなるおそれがある」ということはなく、適切な入札がすでに終わっているのである。その結果、「当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利害を害するおそれがある」という理由はない。

開示された文書は以下のとおり。
Pdfファイル「工事計画届出書(275kV中央幹線の位置変更)」20ページ(新設した鉄塔、撤去した鉄塔の位置図あり)
Pdfファイル「主要送電線路の整備計画書」1ページ
pdfファイルと別紙は、当方のホームページへ2014.1.2,naka

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