犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

【日々是好日なり】久しぶりの辰巳ダム

2024年02月28日 | 辰巳ダム
 辰巳ダムの現場を覗いてきた。
 水量は、3.42m3/秒。
 清流だった。 
 【ダム提体上流側】


 【ダム湖側】


 貯水ダムは、ダム湖の水位変動する区間の壁面に植生が無くて殺風景な感があるが、辰巳ダムは治水専用で空ダムであり、滅多に湛水することはなくて、ダム湖の壁面には植生が繁殖し、周囲の天然自然に馴染んでいる。 
 壁面が荒れて自然破壊が進むと思ったがそうでもなかった。

 当初のダム計画では、湛水してボートも浮かべて景観を楽しむという目論見もあったが、周辺には5集落もあり、ダム湖の水質悪化の恐れがあり、大反対だった。
 空ダムになってよかった。
 集落の人達にとっては、橋替わりのダム、右岸側の県道に容易に取りつくことができるようになって大満足か。

 最も大きい成果は、辰己用水東岩取水口が当時のまま、残ったことだ。
 当初の計画では、150mほどの区間でダム提体の底に埋没してしまうことになっていた。
 よかった(^^)/
 辰巳用水の水門番の方が今も管理しておられるとのこと。
 管理棟からゲートの操作ができるようになっているという。
 スクリーンの前に流木等が堆積したときはダムに設置してある階段を利用して降りて取り除きをしているという(以前は、長い斜路を長い距離降りる必要があって大変だった。)
 【辰巳用水東岩取水口】


 【辰巳用水取水口から下流】

 辰巳ダムは市街地近接のダムで特徴的
 ➡ ダム湖に沈んだ民家はゼロ、条件の悪い田畑を手離し補償を受けた、
  市街地に近く(近い方が治水効果が大きい)、市街地の企業の通勤圏だったため、ダム建設で村(集落)は衰退しなかった。
 ➡ 当初の多目的ダム(利水+治水)から、空ダム(治水専用)になって、目的がはっきりし、管理運用も著しく改善された、というよりも管理不要となった。
  (ランダムな降雨、その降雨による出水、これを予測しあらかじめダム操作を行うが難しい、結果的に災害が起きると人災と責められる!)
 【ダム提体の道路と集落】


 湛水、流木のことについて、ダム管理棟の県職員の方に尋ねた。
 2,022年8月4日の大雨で、満水まで約4mまで達し、中段の洪水吐きから放流したとのこと(洪水時最高水位EL132m、ダム湖の水位が128m弱まで到達)。
 流木については、犀川で年に1,2回、流木の処分をしているとのこと。
 辰巳ダムの下段常用洪水吐き、ダム湖の上流端付近にある流木止めのところに、出水で流木が引っかかる。
 上流で取り除くので、下流の堆積がなくなり、景観上も好都合か。
(注:辰巳ダムは無人管理であるが、犀川ダムの管理担当の方々は待機場所となっていた。現在、犀川ダムまでの県道が落石のため通行止めとなっているためとのこと、場合によってはヘリなどで行き来しているとのこと。)
【流木止め】

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