犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

辰巳ダム裁判>地すべりについて国側(被告)の証人尋問の感想

2013年07月19日 | 辰巳ダム裁判
 前半の主尋問は、尋問も返答も早く、聞き取りも追随がたいへんで、ほとんどメモをとることができないほどの早さで参った。後半の反対尋問は、尋問も返答もわかりやすく、通常のスピードだったろう。
 原告側の反対尋問者は、有能で冷静な若手弁護士で地すべりの資料を咀嚼して、いくつかの矛盾、齟齬を指摘して被告の主張を崩そうとしたが、経験豊富、能弁な証人の返答がスキを見せず、固い壁となり、追及が不首尾に終わった感がある。
 要約すると、「L3ブロック(鴛原)はマニュアルを適用して判断すると地すべりは起きない、末端地すべりも起きない、したがって対策工はいらない。」という「石川県の地すべりに関する判断は妥当で適正な処置が取られていた。」ということになろうか。
 リスクなしと判断したわけだ。
 ところが、北陸電力は、L3ブロック(鴛原)の末端の鉄塔を含めて前後6基の鉄塔を移設という対策を取った。地すべりブロックの上にあるという認識をして倒壊を回避するためである(理由の説明は拒否しているが!)。
 リスクありと判断したわけだ。
 証人にリスクあるというところに追い込めなかったのはどうしてだろうか。

 証人が強調するリスクマネジメントの観点から、被告証人は、
  災害の大きさ(大きくない)×発生確率(小さい)=小リスク(何も対策しない) 
 ということで、対策無しとの判断は妥当だとしたのである。
 災害が大きくないとするのは、人家の影響がない、移動速度が小さいのでダム津波が起きないなどということと主張した。
 2万7500kVの高圧送電線の鉄塔の倒壊の災害は大きくないのか。北陸電力は、
  災害の大きさ(非常に大きい)×発生確率(小さい)=大リスク(設置場所を変更する) 
 という判断で、対策したのである。
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辰巳ダム裁判>地すべりの証人尋問

2013年07月17日 | 辰巳ダム裁判
一般傍聴可!

――辰巳ダム裁判証人尋問(地すべりに関する被告証人の主尋問と反対尋問)――
日時:平成25年7月18日(木) 午後13時10分~17時20分
場所:金沢地方裁判所新庁舎法廷205号
被告証人:脇坂安彦,独立行政法人土木研究所 地質監

【辰巳ダム裁判の争点:湛水(たんすい)に伴う地すべり】
 治水ダムは、災害防止の目的が別の災害の原因となるという矛盾がある。
 洪水災害防止のための治水ダム→(ダム湖の湛水)→ダム湖周辺斜面の地すべり災害誘発
 辰巳ダムは、鴛原超大規模地すべりと瀬領地区の初生地すべりを誘発する危険がある。平成24年1月から5月にかけて試験湛水を実施され、幸いにも鴛原超大規模地すべり地の観測データでは地すべりの兆候はなかった。瀬領地区では観測されていないのでわからない。試験湛水では、満水から空に数ヶ月かけて行うが、実際の洪水では1日程度で終わるので、実際に直面してみなければ斜面が安定かどうかわからない。
石川県は鴛原超大規模地すべり地の土塊を限定した(L3-2ブロック)安定解析で安全率低下が5%以内だから対策工は要らないと判断した。地すべり対策をしていない。

 ところが、北陸電力は鴛原超大規模地すべり地の送電線鉄塔撤去をしている。ルート変更して前後6基を撤去した。地すべりによる鉄塔倒壊による災害を回避するためである。費用は10億円近くかかるのではないか。誰が負担するのか。事業者に確認するため、北陸電力(石川支店送電工事チーム)に対して工事理由の説明をもとめたが「工事に関してはお答えしかねます。」の一点張りであった。

このつづきは、→傍聴者への配布ビラへ
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辰巳ダム裁判>地すべりについて国側(被告)の証人尋問

2013年07月16日 | 辰巳ダム裁判
日時:平成25年7月18日(木) 午後13時10分~17時20分
場所:金沢地方裁判所新庁舎法廷205号
被告証人:脇坂安彦,独立行政法人土木研究所 地質監
一般傍聴、途中退出可。
被告の陳述書は、→クリック
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辰巳ダム裁判>7月18日木曜日13時10分から、地すべりのこと

2013年07月12日 | 辰巳ダム裁判
 平成20年5月の提訴以来、すでに5年が経過し、長期にわたった裁判も半年ほどで終結する見通し。裁判は最終局面ですでに3回の証人尋問が行われ、今後、2回の証人尋問、1回の弁論期日、12月には結審して来年の3月頃には判決がでるとのこと。
傍聴は自由です。金沢地方裁判所法廷205号。新庁舎になったので明るく、広く、入りやすくなりました。

 今回は、
 7月18日(木)13時10分~ (4時間ほど途中退出可)地すべり:被告証人尋問 
 被告証人は、独立行政法人土木研究所地質監の脇坂安彦氏。
 九州地方建設局地質担当建設専門官、近畿地方整備局大戸川ダム工事事務所長などを歴任。
 氏の陳述書(A4,27頁)は、以下でアクセスできる。
 乙第213号証 脇坂安彦氏の陳述書(約30メガ強とやや大きいファイル)
http://www.nakaco.com/tatumiDAM-sosho/genkoku-hikoku/otu-/otu213.pdf
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辰巳ダム>辰巳用水東岩取入口付近の様子のつづき

2013年07月11日 | 辰巳ダム
 水門の直前から見た様子

 2005年に木造で手動の水門が電動のステンレスゲートに改造されている。


 水門から下流を望む。堰が残されている。

 堰の真横から見る。

 ダムから下流の犀川渓谷はもとのままに残されている。

 ダム堤頂の道路、左岸から望む。

 おわり
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