犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

辰巳ダム>8月23,24日に辰巳ダム現場の様子を見てきた

2013年08月25日 | 辰巳ダム
23日14時ころ、ダム堤頂から上流を望んだところ。流量は22立方メートル毎秒、ダム水位計の水位98.12m(水深は1mほど)。ダム地点で時間28mmの大雨で霞んでいる。川の中程の長さ7,8mほどの流木が気になる。


翌24日10時ころのダムの上流側の様子。流量は22立方メートル毎秒。ダム水位計による水位99.97m、穴がちょうど隠れるくらいの高さ。河川情報システムの流入量と放流量がほぼ同じなので、閉塞しないで流れているようである。


流木留め(鋼管鉄骨構造の流木捕捉工、鋼管の径は600mm、支柱の高さ6m、捕捉工の幅は50m)のところの様子である。3,4mの高さまで流木が堆積している。6月30日に見たときはほとんど堆積していなかったので、この2ヶ月弱の間に堆積したものである。7月29日に最大184.45立方メートル毎秒(犀川ダム地点総降雨量212mm、辰巳ダム地点総降雨量110mm)の時に堆積したものだろう。その他の出水としては、8月21日47.21立方メートル毎秒(辰巳ダム地点総降雨量92mm)、8月23日22.85立方メートル毎秒(辰巳ダム地点総降雨量103mm)である。


6月30日の流木留めの様子。
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辰巳ダム>鴛原超大規模地すべり地の送電鉄塔の撤去

2013年08月19日 | 辰巳ダム
 北陸電力は、地すべり地の上の鉄塔について、鉄塔の基礎の前面の崩壊は単なる表層崩壊で地すべりの懸念はないと否定していたが、その危険は認識して鉄塔を撤去してすることにした。

 送電ルートを別に新設して、旧ルートの送電鉄塔6基を撤去し、現在、3基目の鴛原超大規模地すべり地の送電鉄塔を撤去中である。北陸電力は、リスクを大きいと判断したわけである。発生確率は小さいとしても、2万7500kVの高圧送電線の鉄塔の倒壊の災害は大きいということである。
 災害の大きさ(非常に大きい)×発生確率(小さい)=大リスク(設置場所を変更する) 
これに対して、国、県は、発生確率はほとんどない(安定計算で安全度低下率5%未満)、災害は起きない(仮に動いても災害は大きくない?)と強弁して、何も対策していない。
  災害の大きさ(大きくない)×発生確率(小さい)=小リスク(何も対策しない) 
 ということで、対策無しとの判断は妥当だとしたのである。
 
 北陸電力の判断が正しいでしょうか、国の判断が正しいでしょうか。

 平成25年8月11日対岸の瀬領から撮影、上部の鉄骨が撤去され、基礎から10m程度が残るのみ。

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辰巳ダム>洪水のあとの穴あきダムのまとめ

2013年08月17日 | 辰巳ダム
「穴あきダムの問題点」は6項目に整理できる。
①自然調整、②流量調節、③土砂の堆積、④平常時の懸念、⑤自然環境への影響、⑥事業費と完成期間の疑問である。
それぞれ、換言すると
穴が開いているだけで水量をコントロールできない懸念、穴が閉塞して洪水被害の拡大の危険、洪水によるダム湖への土砂の堆積、平常時の水の流れや質の悪化の懸念、洪水の動植物や環境影響の懸念、事業の費用や完成までの期間がかかりすぎる疑問である。

①自然調整
 「穴が開いているだけで水量をコントロールできない懸念」は、ダムが完成して供用を始めたときから明らかになった。
洪水時に人為的にコントロールするための装置がないので、洪水に関係なく、穴が設けられている。想定した洪水に対して、ダム容量や穴の形状などを決めたが、下流の河道の条件が暫定だから、この暫定に対して穴あきダムはどう対応したらいいのだろうか。石川県は、一つの穴を塞いで対応することにしたが、これで対応したことになっているのだろうか。

②流量調節
「穴が閉塞して洪水被害の拡大の危険」となる。ダムが満杯を超えて放流すると、ダムの洪水調節がゼロとなり、一気に洪水量が大きくなる。
穴の閉塞の懸念は、流木である。今回の洪水では、流木の閉塞はなかった。しかし、ダム湖内に転がっている流木は少なくない。ダム湖に面する斜面の崩壊状況から、今後、多くなることは明々白々である。延長3キロにおよぶ両岸のダム湖に面した斜面から降雨のたびに流木は発生している。
辰巳ダムでは、2つの下段常用洪水吐の穴のうち、最初から1つを塞いでいるので閉塞の危険性は倍?になるのか。

③土砂の堆積
 水理模型実験の結果を受けて、石川県は、洪水がピークを過ぎて貯水位が下がりだすと、堆積した土砂は水と一緒に下流へ移動し、最終的には常用洪水吐から排出されることになるという。ダム湖内の水流がスムースになるように、ダム湖内は河道整正工が施されている。河床から10メートルの高さの範囲では大きな排水路形状となり、河床の底幅30メートル、両側に河道整正工の法面があり、勾配は1:3で高さ10メートルである。
今回の洪水は、昨年6月に供用を開始して以来、初めて。かなりの土砂の堆積(ダム直上流の堆積物で2000立方メートルほどもあるのではないか?)、流木とヨシ/小木/竹/小枝などの草木残渣と合わせて堆積が進んだ。
堆積を防ぐための排水路形状の河道整正工は機能していないようだ。

④平常時の懸念
「平常時の水の流れや質の悪化の懸念」がある。
洪水を分離して低水放流設備を通過させて、東岩取入口へ導くための水理模型実験はしているが、洪水の後、平常時はどのようになるのか、水理模型実験はされていない。
犀川の流れを2流にして、流れ方を変えた結果、東岩付近の様子に変化が現れ、これが辰巳用水の流れや水質がどのように影響を与えていくか、懸念される。
わざわざ広い川幅を河道整正工で狭め、河床底幅を30mにしたうえ、穴で幅2.9mに絞っている(1穴は閉鎖)。この割合を阻害率とすれば、阻害率90%か。ゴミや土砂が溜まるのは当然かな。

⑤自然環境への影響
 濁水を湛水させると、水と泥が分離して沈殿する。洪水が引いて乾燥すると、日干し煉瓦のような塊のヘドロができる。これが積み重なり、堆積していくのであろう。
 これがどのような形で再び川へ戻っていくのだろうか。
川の中へ流れを阻害する障害物を造らないことが、河川工学の鉄則だ、これを破るとどういうことになるか、ということを穴あきダムは教えてくれる。
 穴の付近に魚影はない。ゴミが堆積しているので、魚も嫌っているようだ。

⑥事業費と完成期間の疑問
 ダムの効用は薬と同じで、初めて服用する薬はよく効く。二服目、三服目は効き目が落ちる。最初の犀川ダム,次の内川ダムまで、それなりに効果的な面が見られるが,三番目の辰巳ダムは副作用ばかりだ。犀川ダムは昭和35年度に着手し,昭和40年度に完成し,6年を要した。次の内川ダムは,昭和42年度から昭和49年。度までの8年。辰巳ダムは,昭和49年度に調査に着手し,強引に平成19年度に着手するまでに34年、平成24年の完成まで39年かかっている。(効果が疑問である)ダムほど時間がかかることを証明している。
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辰巳ダム>水は貯めないが、ヘドロは溜まる!

2013年08月16日 | 辰巳ダム
 穴あきダムの懸念の一つは、洪水の動植物や環境影響。
 自然環境への影響、つまり「洪水の動植物や環境影響の懸念」である。洪水が発生しても湛水しなければ、濁水はそのまま下流へ流れていく。ところが、湛水すると、水と濁りが分離して沈殿して、堆積する。洪水後のヘドロの堆積の様子である。




 この堆積している面は、河道整正工の上端であり、標高107メートルである。河床は10メートル下の標高97メートル。今回の洪水では標高107メートルを超えていた時間は、29日17時から30日9時までの16時間である。濁水が滞留した結果、ヘドロが沈殿した。
 ダム湖内を親水空間として散策する公園を整備するというような話もあったように記憶している、そんな馬鹿なことが実現しなくてよかった(-_-;)
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辰巳ダム>東岩取入口の前にヘドロが堆積?

2013年08月15日 | 辰巳ダム
穴あきダムの懸念はいくつかあるが、その一つは、
「平常時の水の流れや質の悪化の懸念」である。
水の流れは、ダムができたことによって2流に分かれた。洪水は、穴(下段常用洪水吐)から減勢工を通過して下流へ流れる、平常時は、減勢工の側壁の穴(低水放流設備)から辰巳用水東岩取入口の方向へ流れるルートである。このルートはダム建設前とは変わらない、旧河道の流れである。
11日にダム堤頂から見ながら観察した。東岩取入口のスクリーン前面の水門付近のゴミが少ないのは、水門番の辰島さんが水門のところからゴミを取り除いて清掃されているからである。少し離れたとこに流木の塊がある(先月に比べて大きくなっている)が、これは人力では除去できないので放置されているがそれほどでもない。
 取入口の前の淀みが白く濁ってかなりの量のヘドロの堆積があるように見える。かなり多くなってきたのではないか。従来は、このルートを洪水が通過するのでヘドロの堆積が制約されたのではないか。ところが、ダム稼働の後、洪水は減勢工ルートで流下して、その傍流が旧河道を通過するにすぎない。掃流の力が低下したことは明らかであるので、これがヘドロの堆積に寄与しているのではないだろうか。

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