辰巳ダム裁判7周年集会の開催
平成27年4月25日(土)13時30分~16時30分
近江町交流ブラザ(近江町市場ビル 4階)
「あらためてダム問題の根本を問う」(基本高水――ダムを造り続けるための魔術――)
講師:関 良基 先生 (拓殖大学准教授)
「一審判決の特徴と控訴審の焦点」
報告:塩梅 修 弁護士 (弁護団事務局長)
ゴールデンウィークの初日、統一地方選挙投票日の前日ということも重なり、参加者が少なかった。しかし、ダムは建設されたものの問題は解決されたわけではなく、裁判が係争中であり、問題意識を持って参加された複数のマスコミ関係者もあり、緊張感のある空気に包まれた。
辰巳ダム裁判の最大の焦点である「過大な基本高水」について、3年前の講演に引き続き、今回もその続きを、関 良基拓殖大学准教授に講演して頂いた。
先生いわく
「基本高水の議論をしだすと、多くの人々は『そんな話、どうでもいいや』とうんざりしてしまう。水害から身を守るために本質的に重要な話しとは思えないからだ。しかし、一般の人々が近寄りがたい議論をし、煙幕をはることこそ、住民を川から遠ざけ、官僚たちが河川管理を独占し、国民の税金を吸い上げていくためのテクニックである。ふつうの人々が辟易とするような議論の背後で、実際には非科学的な計算が横行している。数字をめぐるバカバカしいとも思える議論を直視していくことを通して、現行の治水の法制度の枠組みのどこに問題があるのか明らかになるだろう。」
そのバカバカしい議論の一端を披露していただいた。
あらためて、反芻して理解をした上で、辰巳ダム問題を通じて今後、紹介していきたい。
【感想】
講演を通じて、「貯留関数法という流出計算法」でどんな数字でも作り出すことができるということを理解した。また、辰巳ダム裁判の議論を通じて「水文統計学の手法」を用いてどんな雨でも作り出すことができることがわかってきた。この2つの方法でピーク流量が作られ、繰り返すことで基本高水の候補となるピーク流量群が得られ、この群の最大値を基本高水とすることになっているが、これが過大な基本高水を作る仕上げである。
基本高水=河道負担分+ダム負担分
である。
河道負担分が決まると、基本高水を大きくすればするほどダム負担分は大きくなり、いくつもダムが必要になる。辰巳ダム計画では、基本高水を150m3/秒大きくしたので、3つ目の辰巳ダムが必要となった。
【蛇足】
基本高水を大きくすることが、金沢市民の生命と財産を守り、治水安全度を高めることになっているのかどうか。基本高水について、国・県は、「比流量」で検証したと主張しているが、辰巳ダム以前の内川ダム時点の基本高水1600でも類似河川間の「比流量」の範囲内にあり、検証されている。「比流量」の観点からは、治水安全度が向上したと立証することはできない。
平成27年4月25日(土)13時30分~16時30分
近江町交流ブラザ(近江町市場ビル 4階)
「あらためてダム問題の根本を問う」(基本高水――ダムを造り続けるための魔術――)
講師:関 良基 先生 (拓殖大学准教授)
「一審判決の特徴と控訴審の焦点」
報告:塩梅 修 弁護士 (弁護団事務局長)
ゴールデンウィークの初日、統一地方選挙投票日の前日ということも重なり、参加者が少なかった。しかし、ダムは建設されたものの問題は解決されたわけではなく、裁判が係争中であり、問題意識を持って参加された複数のマスコミ関係者もあり、緊張感のある空気に包まれた。
辰巳ダム裁判の最大の焦点である「過大な基本高水」について、3年前の講演に引き続き、今回もその続きを、関 良基拓殖大学准教授に講演して頂いた。
先生いわく
「基本高水の議論をしだすと、多くの人々は『そんな話、どうでもいいや』とうんざりしてしまう。水害から身を守るために本質的に重要な話しとは思えないからだ。しかし、一般の人々が近寄りがたい議論をし、煙幕をはることこそ、住民を川から遠ざけ、官僚たちが河川管理を独占し、国民の税金を吸い上げていくためのテクニックである。ふつうの人々が辟易とするような議論の背後で、実際には非科学的な計算が横行している。数字をめぐるバカバカしいとも思える議論を直視していくことを通して、現行の治水の法制度の枠組みのどこに問題があるのか明らかになるだろう。」
そのバカバカしい議論の一端を披露していただいた。
あらためて、反芻して理解をした上で、辰巳ダム問題を通じて今後、紹介していきたい。
【感想】
講演を通じて、「貯留関数法という流出計算法」でどんな数字でも作り出すことができるということを理解した。また、辰巳ダム裁判の議論を通じて「水文統計学の手法」を用いてどんな雨でも作り出すことができることがわかってきた。この2つの方法でピーク流量が作られ、繰り返すことで基本高水の候補となるピーク流量群が得られ、この群の最大値を基本高水とすることになっているが、これが過大な基本高水を作る仕上げである。
基本高水=河道負担分+ダム負担分
である。
河道負担分が決まると、基本高水を大きくすればするほどダム負担分は大きくなり、いくつもダムが必要になる。辰巳ダム計画では、基本高水を150m3/秒大きくしたので、3つ目の辰巳ダムが必要となった。
【蛇足】
基本高水を大きくすることが、金沢市民の生命と財産を守り、治水安全度を高めることになっているのかどうか。基本高水について、国・県は、「比流量」で検証したと主張しているが、辰巳ダム以前の内川ダム時点の基本高水1600でも類似河川間の「比流量」の範囲内にあり、検証されている。「比流量」の観点からは、治水安全度が向上したと立証することはできない。