分収林の延長に思う。

2012年05月15日 | 信州の木材
出勤途上回覧板を廻しにお隣に、その玄関先で開いた回覧板の文字に吸い寄せられました。昨夜常会の旅行のおしらせの話を夫から聞いただけで・・・目を通さなかったわ。

 地区で持っている分収林の期限が今年なのですが、木材価格が低迷しているからもう10年伐採を延ばす旨のお知らせのようです。

 なんたってよそのお宅の玄関先、中から私を見ておられるのが分かるだけに、引き返すことも出来ずに、樹齢70年なのが10年延長すると80年になるのだとインプットしました。

 何十年もの間木材価格は低迷しています。

 公民館に飾ってある感謝状を眺めていたら、東のお宅の3代前のお名前で地域の分収林の収益で小学校にピアノを寄付したことが記載されていました。

 いい時代もあったのだと眺めたことがありました。

 為替と人件費が魔法のように働いて、海外から持ってきた材木の方が安かった時代が続きました。

 国産材の冬の時代を耐えて・耐えてきました。資源としての山は価値をう失いましたが、水や国土の保全のために山は大切な意味をもっていますから、補助金でようやくここまできたという感があります。

 しかし京都議定書以来、山に要求される物がひとつ増え、予算が積みあがりました。

 でも遅かったという印象は拭い去れません。山の木が市場に出る過程が急速に衰退していきました。補助金で作られたような大型工場が各地に出現しました。

 国有林の入札方法が変わり、木材の流通も変わりました。いいのか悪いのかなんて思っているうちに、淘汰が始まっています。

 製材工場はかっての村の鍛冶屋さんの運命かもと話すことがあります。
この流れはさらに波及して、地域の大工さん・工務店の淘汰に繫がっていくのかもしれません。

 ロシアからの木材が安く輸入しにくくなって、国内の木材の流れが大きく変わりました。今まで見向きもされなかった国産材に日の目があたりました。

 収益が山に還元される時がきたのです。だから10年延ばすというのがなんだか腑に落ちなかったのです。いえこれが50年生だったら、ありだと思うのですが。

 人間と同じで木にも盛りがあるのです。80年はやっぱり人間の80年に相当するかもしれません。

 価格の低迷と需要の無さで、日本中70年・80年それ以上の美林が多く残っているの現実なのです。美林を残すしか方法が無かった時代をつくづく思い出しています。

 これからの一番の問題は山の木を伐った後をどのようにしていくのかではないでしょうか。
このお話を書き始めるとながくなりますので又にします。
                     依田美恵子

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