私のなべ四器(規矩準縄)

今、自分の周りで起きていること。ご近所のトマソンもそんなに、気にしてない。深めにかぶった帽子で、年内不定休営業中。

まぐろ

2010-02-06 06:20:43 | ご飯ですね
静岡市清水区幸町に有る伊藤食品。まぐろの缶詰を地元民に安売りするという看板を見て、釣られて工場内の敷地に入った。門からは事務所の建物が分からず恐る恐る敷地内を歩く。如何にもあやしい人物ではあるが、一般人であることは間違いない。少し歩くと工場とは違う建物を見つけたのだが入口が分からない。さらに奥に進む。

近づいて見ると「事務所2階」と入口の扉に書いてある。ここまで来れば誰でもわかる。
扉を開けて中に入ると正面に「土足厳禁」の貼り紙が目に入る。その下にスリッパが有り履こうとすると「従業員用」貼り紙がしてある。続いて「御用の方は下駄箱をご利用ください」あり、貼り紙に誘導される様に目線を左に回すと、来客用と書いてある立派な下駄箱が有った。蓋を開けると従業員より程度の良さそうなスリッパが入っていて、やや優越感を味わいながらスリッパを履く。

それにしても、ここまで入って来ても誰にも会わなかったのは不思議だ。ゆっくりと階段を上がると突き当りに事務所の札が見えた。目的地に到達。
事務所に入ると誰も居ない。丁度昼休みの時間だったのだ。応接室で弁当を食べていた従業員が応対に出て来た。そこで、缶詰の話をすると取り扱っているメニューの様な一覧表を見せられた。

ノンオイルのフレークより3倍売れていると言う主力商品の油漬けライトツナフレークを買う事にした。(2,000円/24缶入り)事務員の話によるとすごく旨いらしい。「時々浮気をしてみてください」と言うのだが、他の缶詰と比べて見ろと言う事なんだ。この美味さが分かると胸を張るのだった。確かに近所のスーパーブランドのツナ缶はどう加工しても美味しくならないので期待が高まる。



朝食に一缶開けて見た。愚息はマヨネーズを掛けて食べていた。味の感想を聞くと「普通」と言う。今風の答えに納得する。由比のツナ缶の様な劇的な違いは無いけれど、食べ慣れると馴染みそうな味付けになっている事は確かだ。もう少し食べ続けてから浮気をする事にしようと思う。(笑)

缶詰の味はどこで決まるのだろうか。まぐろだろうか。HPを見て見ると

■まぐろ
国内にある当社工場で、選別加工された鮪肉を使用しております。

■野菜スープ
当社内で煮出したスープに更に北海道産のたまねぎを加え、コクを出しました。

■米油
遺伝子組換えをしていない国産米油を使用しております。


鮪の種類、部位によっても味が違うと思いHPをいろいろ探っているとマグロは黄肌まぐろを使っているらしい。更に製造工程を見ると蒸煮をしてからスープを入れる様で、スープで煮る訳ではないのだった。缶詰でしか出来ない味付けなんだろうか。その辺りに美味さの秘密が有りそうだ。

ツナ缶も良いけれど鯖の水煮缶も安く売ってくれないだろうか。(笑)

追記:沢山ある事を良い事に毎日一缶ずつ食べている。
油とスープを後から缶に入れるので、器に開けてから、
フレークをよく混ぜる事にした。
スープと油が良く混ざり合い美味しい。これはいける口だと思う。
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女峰

2010-02-05 08:18:38 | 園芸部の四器
露地物の苺が赤くなってきた。
連日、最低気温が氷点下なので、霜焼けをしそうだけど、今の所大丈夫。
特に土壌改良をしなかったので、苺本来の酸っぱい物になっていると思う。(笑)

それが証拠に、雀がまだ手を出さない。



ちょっと見には、美味しそうに見えるので、雀に先を越されるのも時間の問題かもしれない。
日の当らない裏側が青いので、アルミホイルで反射させて赤くしようと思ったのだが、思ったほどの効果が出ない。もう少し赤くなるまで、待ちたい。

女峰の苺が世間から消えても、暫くはここに有ります。
そうなると貴重な苺になったりして。それは無いか。


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いるか煮

2010-02-02 14:47:26 | ご飯ですね
近所の魚屋の大女将に、「いるか煮」はいつ作るのかと尋ねて見た。
「こないだ(先日)、作ったじゃん」と言われ、しまったと思いながら猫なで声で、また煮て頂戴とお願いした。そこに若大将から明日(1/30)煮て欲しいとリクエストもあり、大女将はホンワカした感じで承諾した。

「いるか煮」は清水の食文化なんだから、作り方から見せてほしいと無理を言って、作り方を教えてもらう事になった。小生の両親が清水人じゃないので、興味が湧いてくる。

いるかを食する文化は母の実家(山形)でもあり、野菜の煮物などに黒い皮の付いた脂身が入っていて、出汁として使われていた。そんな煮物を子供の頃食べた事が有った。いるかを食べる事には特に違和感も無く食べられると思うのだが、作り方は全く分からない。最近は近所の生協でも生のいるかが売られていて、需要はある様だ。

今回使用する「いるか」は「つばめいるか」で肉が柔らかく食べ易いそうだ。通好みとしては「まいるか」で煮た方が味が深いらしい。ただ、肉が硬くなるのがやや難点らしいが、味は良いらしい。残念ながら、そこまで「いるか煮」に詳しくないので今回の「いるか煮」の味を覚えておこうと思う。

さて、約束の時間に魚屋に行ってみると、大女将が支度をして待っていてくれた。「レシピなんかないから、みんな適当だから」と大女将の舌だけが頼りの料理が始まる。
美味しい物は、大抵こんな感じで有る事は知っている。教科書の様なレシピ通りに作っても、同じものは出来ないのだ。(笑)

材料 つばめいるかの肉…バット1杯
   あふら身(皮の所)…肉の三分の一程度
   醤油      …適当(見た感じカップ2杯)
   中ザラ糖    …お玉で3杯
   きざみ生姜   …一握り
   人参      …一本
   さらした牛蒡  …適宜





沸騰したお湯の中にいるかの身を入れる。(下ゆで)どのくらい下ゆでをするのか聞くと「ほんのちょっとだよ。臭味を取るんだけど、やり過ぎるとつまんないし」と言う。「つまんない」って旨味が無くなるって事でしょうか。なんだか面白くなってきた。生粋の清水弁に触れた様な気がして、嬉しくなってくる。

下ゆでは一分ぐらいで火から降ろし水洗いをする。大女将も「こんなに沢山一度に煮た事が無いので、適当」としきりに言う。湯気と一緒にいるかの匂いが立つ。独特の匂いが広がる。台所で煮ていたのだけれど、茹で汁は店の流しに流す。この匂いが、一般人には受け入れ難いのかもしれない。



煮る前のいるかの身は意外に大きいのだが、煮込むうちに小さくなるので、大ぶりに切って丁度いいのである。笊に上げ水切りをする。この時まだに肉に赤みが残っていてる。
手で肉の状態を確かめながら、「今日は軟かく煮上がると思うよ」と大女将もちょっと嬉しそうに言う。



醤油と中ザラ糖(お玉2杯)を入れ煮溶かす。
酒も適量入れる。見ているとお玉一杯くらい入ったと思う。もっと入ったかなあ?
醤油の量が少ない様に思えるのだが、炊いている内に醤油が上がってくるので丁度良くなる。いるかから水分が出るらしい。



中ざら糖が溶けたらいるかを入れる。
二分ほど強火で煮る。



天地返しをして、人参とさらした牛蒡を入れる。



約5分後味見をする。甘味が足りなかった様で、中ざら糖をお玉一杯追加する。
更に煮込むと煮汁が少なくなってくる。天地返しを牛蒡が柔らかくなったことを確認する。




煮詰まってきたら天地返しをして味噌を入れる。この味噌は嫁さんの実家製で田舎味噌だ。お玉に半分から一杯の程度溶かし入れる。蓋をしながら味が入るのを待つ。

「仕上げに葱をシューシューと入れるともっと美味しくなるよ」と大女将が言うのだが、近所の八百屋にネギが無く今日は入れられない。「シューシュー」の意味が全く分からないけれど、ぶつ切りの葱を入れればいいのかなあと思った。刻んだネギなら「パラパラ」と言う気がしたからだ。

出来上がったけれど、味が沁みるまで少し置いておいた方がいいと言うので、夕方出直す事にしてた。
思ったよりも簡単に出来てちょっとびっくり。肉と言っても牛肉ほど硬くはないのだった。



仕事をしていると電話が鳴り、魚屋の前を取りかかった家人が「いるか」を買って帰ろうかと言うのだった。自分的には買い占めたい位だったので、夕方行って、まだ沢山あったら5人前くらい買っちゃおうと思っていた。もし、人気商品で売れていたら遠慮して二人前位にしようと思っていたのだが、電話では店の様子が分からない。

帰宅した家人に様子を聞くと、常連さん風の婦人が、「あら、いるかが有るなら頂戴」と言ったらしい。まだ、店先に並んで居なかったのだが、その匂いで清水っ子は分かるらしい。(家人は分からない)

大女将に蒟蒻は入れないのかと聞いたところ、美味しい所を蒟蒻が吸っちゃうから入れないよと言う。入れても良いかも知れないけれど内は入れないそうだ。

食感は豚レバーの様な感じなんだけど柔らかい。甘辛く煮ているので臭味は消えているがいるかの味も物足りなく思う。脂身の方を食べる。「これこれ」と言えるほどいるかの味が口に広がる。この匂いが駄目な人は食べられない。清水っ子に育てたい愚息にも食べさせる。父親に気を使って、小さく切ったいるかを食べた。

いるかを食べたからと言って清水っ子になれるとは思わないけれど、いるかを食べなければ絶対に成れない様な気がする。いるかのたれも食べたけれど、食べ慣れなければ美味しい物には成りえない。
また、いるか煮が店頭に並んだら買って来たい冬の料理だ。

金田食堂で食べた「いるか煮」に蒟蒻がはいていた様な気がしたのだけど、思い出せなくなったので、また食べに行ってみたい。今度は、材料も観察できるかもしれない。
これからもいるか煮が店頭から無くならない事を願う。
コメント (9)
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