焼津

静岡県焼津市。仕事で連日焼津に出掛ける事になった。国道150号線沿いに「グルメ」と言う名のレストランが有り、「グルメを左折する」などと言うと道案内の通りが良い。数年前にそのグルメも更地となり、目印が変則な交差点だけだなぁと思っていたら、区画整理の波に飲み込まれ、交差点も真直ぐな道になってしまっていた。気を付けて運転していたのだけれど通り過ぎてしまい、新しくできたコンビニを新しい目印にした。

目的のお宅に到着すると、「グルメ」が無くなって曲がる道がわかり難くなりましたねと話しをすると、「そうなの、親戚がグルメを目印に来ていたから、みんな分からなくなったと言うよ」と少し寂しそうに仰った。

焼津の酒屋では「磯自慢」がいつでも買える噂を聞いていたので、仕事の最終日に酒屋に寄ってみた。確かにどこの酒屋も「磯自慢」の看板を店先に掲げ、如何にも売っている感じである。手頃な店に入ってみると数ある磯自慢すべてが完売状態。
やっぱりねと思いながら店の方に磯自慢の有無を確かめると「いつ入ってくるかわかりませんね。入ってきても直ぐに売り切れちゃいますから、予約も難しいです」と言う。
まあ、予想通りで有ったので、先日「ほろ酔いツアー」で体験した「喜久酔」（キクヨイ）を買う事にした。その隣に「初亀」が有り、「早々これこれ」などと訳の分からない納得をして手に取り、「正月は浴びるほど飲んでやる」と内心ニンマリしてお会計を済ませようとした。

すると店の方が「磯自慢」はお使い物ですかと聞くので、「ええ、まあ」と曖昧な返事をした。本当は自分で飲もうと思っていたのでけど、正月だからお使いって事が無い事もない。（苦しい言い訳）

すると「一本だけならありますが」と言うではありませんか。
予約をしていった人が、なかなか見えないので譲っても良いと言うのでした。「お金貰っていないから良いんですよ」と念を押してくれるのでご厚意に甘える事にした。目の前に欲しい人がいると、放って置けない「焼津気質」を感じた。なんだか申し訳ない様でもあるけれど、それ以上に嬉しかった。

この正月は、日頃の節制を取り戻すほど浴びるほど飲んでやる。でも、最近すっかり弱くなりました。(笑)