パンや

静岡県静岡市清水区北矢部町。
夕方、散歩に出たのだけれど、日が暮れてしまった。「ひさしぶり」と言われるのが嫌で、滅多に歩かない所を縫うように、彷徨っていた。暗くなると、商店の電灯が暖かい。ふらっと、パン屋に入って見た。
ポットの様な、カップの様な、円柱の建物。




天然酵母パンの店で、この建物になる前に買った事がある。
酸っぱいパンの印象があり、酵母パンは不味い物と思っていた。
それでも、支持している方が在るから、この店も健在なんだと思うと、
パンを食べてみたくなった。

店内に入り、どのパンにしようかパンを眺めていると
「どのようなパンをお探しでしょうか」と
店のご婦人から声をかけられた。

「これは、どんな味のパンですか？」と芳醇食パンと
その隣の高級食パンの味の違いを聞くと
材料の違いを説明してくれたのだが、知りたかったのは、
どっちが「天然酵母パン」なのかと言う事だった。

良く考えれば、どっちも天然酵母パンなんだけど、
どっちの方を勧めるか聞いて見た。



気が付かないで店に飛び込んだのだけれど、閉店間際の嫌な客になってしまった。(笑)
それに気が付いたのは、他のパンの味をいろいろ聞いていたら、試食用のパンを全部袋に入れてくれるのだった。

「もう、（今日は）おしまいですからお持ちください」と言われ、閉店時間だった事を知った。
ちょっと、得した気分で帰ろうとしたら、閉店の掃除が始まった。

「自分のブログに乗せても良いですか」と帰り際に聞くと
パン職人のご主人と二人でちょっと、困った顔をされた。

こんな感じで書く事を説明して、了解を得ようとしたら
「そんな事を、言われた事が無いので」とご主人が言い、
職人気質を感じた。すると、広報担当のご婦人が
「良いですよ」と言ってくれた。

お腹が空いていた訳では無いのだけれど、買ってみたいパンが
いくつかある。それは、また次の機会にするとして、
食パンの焼き上がり時間を聞く。

午前11時位で、スライスできるようになるのは12時過ぎだそうだ。
焼きたての酵母パンを食べてみたいと思う。




「芳醇食パン」を食べて見る。酸っぱくない。
きめの細かさと、しっとりした感じが良いと思います。
簡単に言うと美味しい。

それと嬉しかったのは、みみの最後の全部みみの所も
入っていた事だった。
それは、ぬれせんべいんの様に柔らかい。だけど味は
甘味のある紛れもないパンの耳なのだ。
ご飯のお焦げが美味しいように、パンの耳も美味しい。
噛むほどに口の中で甘みが増す。

朝早く焼いてくれていたら、買いに来るのにと思いながら、
昼食をパンにする方法もあると思い始めている。
焼き立てパンを、美味しく食べる方法を模索しながら、
小さな楽しみを、少し広げるのだった。


ベルーフでは、葡萄から天然酵母を採取し、自家培養して生地を発酵熟成させて焼き上げています。
添加物を使わずに時間をかけて48時間から72時間自然のリズムで発酵熟成させて自然な味と香りを生み出します。
時間をかけることにより、日持ちの良い消化の良いパンが出来上がります。　ベルーフHPより