Coriolanus

2005年02月27日 19時21分42秒 | Weblog
Coriolanus
あらすじ

 食料不足のために暴動を起こしたローマ人たちの最大の敵はケイヤス・マーシャスである。戦場での彼のはたらきは市民たちも認めているものの、その尊大で傲慢な態度に我慢ならなかったのだ。いきり立っている市民たちをなだめようとしたのが、マーシャスの事を本当の息子のようにかわいがっていた親友のメニーニアス・アグリッパである。メニーニアスは、その人柄から市民の支持も受けていた。だが、彼が市民たちを説き伏せているところへ、当のマーシャスが現れ、その相変わらずの毒舌をふるうと、彼の努力も水の泡となってしまう。

 そこへ、ヴォルサイ人がローマに反乱を起こしたとの知らせが入る。ヴォルサイ人の中にはタラス・オフィーディアスという優れた指揮官がいた。彼はマーシャスの宿敵である。今度こそ、宿敵オフィーディアスを撃つべくマーシャスは戦場へと赴く。

 ローマに残された彼の家族は3人、彼の母親ヴォラームニャと妻のヴィルジーリア、そして息子の小マーシャスである。この母親は非常に興味深い女性である。マーシャスに対して誰よりも大きな影響力を持つ。夫の身をあんじて心を痛めているヴィルジーリアを叱咤激励し、自分は彼の出陣に心を痛めるどころか、彼の名誉と喜んでいる。

 戦場でのマーシャスのはたらきはすばらしいものであった。彼は敵地コリオライの城内にたった一人で乗り込んで暴れまわった後、宿敵オフィーディアスと戦い、勝利する。

 名誉の帰還をしたマーシャスにはコリオレイナスという名が与えられ、執政官にと任命される。彼が正式に執政官になるためには市民の承諾が必要である。謙虚な気持ちを表すために粗末な外衣を着て、市民に許しを得るのだ。人にこびを売る、しかも自分よりも身分の低い、何の役にもたたない市民にこびを売ることは彼の意に反していた。しかしながら、親友のメニーニアスに説き伏せられ、彼はいやいやながら市民の前に立つことになる。だが、見てくれは謙遜を装っても、彼の尊大な態度は変わらない。そんな彼に少し疑問を感じている市民たちをけしかけたのが選挙によって市民に選ばれた護民官のジューニアス・ブルータスとシシーニアス・ヴェリュータスである。彼らは市民たちのコリオレイナスに対する疑問を憎しみへと変えたのである。市民たちは彼を弾劾し、その処罰を求める。それに対しコリオレイナスはいつものように反抗的な態度をとるが、母親のヴォラームニャやメニーニアスに説き伏せられ、市民に謝ることを約束する。

 だが、彼の気性と誇りが許さなかった。結局、再び護民官や市民たちともめることになり、彼は追放の身となる。たった一人でローマの町を出たコリオレイナスは、宿敵オフィーディアスの町、アンシャムに身を寄せる。そして、自分を追放したローマに復讐するために、かつてあれほど憎み合っていたオフィーディアスと手を組むことになるのだ。表面上は和解をしたように見える二人であるが、コリオレイナスがヴォルサイ人の仲間に入ったことによって、オフィーディアスの影が薄くなり、そのことで彼の心にはしこりが残った。

 一方、コリオレイナスを説き伏せようと友人のコミーニアスやメニーニアスが彼のもとへと赴くが、復讐に燃えた彼の心を抑えることはできなかった。だが、そんな彼の心を動かした人物がいた。母親のヴォラームニャである。彼女は、妻のヴィルジーリアと子供の小マーシャスを連れて喪服姿で彼の前に現れる。最初は全く聞く耳を持たぬという態度をとっていた彼も、とうとう母の言葉に負け、ローマと和解することを決意する。オフィーディアスはそんな彼に賛成する。

 家族に別れを告げてヴォルサイ側に戻ったコリオレイナスを待っていたのは破滅であった。オフィーディアスがこのときとばかりに自らの復権を試みたのである。裏切りものよと罵り、彼を刺す。コリオレイナスの死体の上に立つオフィーディアスを貴族たちがなだめ、彼の中の怒りがおさまると、そこには悲しみが広がっていった。

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