「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

三月や歌へとかはる深呼吸 成田一子

2018-03-31 19:49:37 | 日記
 健やかな太陽、明るい風、匂やかな芽吹き、動き出す生き物たち。「三月」という季語はそんな躍動感を持っているが、東日本大震災以降、追悼と祈りの意味を色濃く持つようになった。それぞれの胸に震災の傷ましさがあり三月を生きている。いろいろな意味で「命」を意識する月でもある。そして、社会的には新年度に向って変化に対応する準備期間でもある。気持ちを新たにするためにする深呼吸は、横隔膜を押し上げ、胸が張る。三月の空の柔らかな陽射しに両手を広げて「歌へとかはる」と、明るい方へと動く心。それぞれが踏み出す一歩ですね。(博子)

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