「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

青葉木菟尺八眠る桐の箱 酒井恍山 「滝」7月号<瀬音集>

2014-07-07 06:07:25 | 日記
 野山に青葉が茂るころ、南の国から渡って来るフクロウ科
の鳥と、桐の箱に仕舞われたまま長い間演奏されることのな
かった尺八。ホーホーと、その鳴声と音色の類似に詩情を持
たせているのは「眠る」だろうか。大切に桐の箱に納められ
た尺八の時間が豊かで美しいと感じるのは「青葉」の文字か
らの連想かも知れない。箱を開けた途端、青葉光のようなキ
ラキラした思い出が溢れてくるようだ。静かな佇まいの句だ
が、季語の明るさを背景にした句であるようだ。(H)

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