「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

七年を経て生乾き春の泥 小林邦子

2018-05-10 04:43:31 | 日記
 春の泥は厄介なものではあるが、いよいよ春なのだなあという気分を実感させ、少しばかり浮き浮きとした気分もして来るが「七年を経て」と、震災句。あの年から、春泥は三月十一日の津波被害とリンクしてしまう。「生乾き」は心象を思っての言葉かと思う。七年の歳月は目に見える街の復興ほどには進まない。そんな心を抱えて生きる方々に寄り添う句。
滝誌にはたくさんの震災句が掲載されている。
「震災の海へ三里の流し雛 鈴木三山」
「三陸の海三月の飛雪かな 堀籠政彦」
「卒業す仮設校舎の扉を閉めて 齋藤善則」
「震災の爪痕七歳の春よ 梨子田トミ子」
そして、赤間学さんが
「あの日より水仙は我が地震の花」をはじめとする<福島 2017>と題した三十句で、第二十九回日本伝統俳句協会賞 佳作第一席を受賞された。(博子)
~「滝」は3.11を忘れません~ 

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