「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

般若つて女だったの春の雷 栗田昌子

2017-06-22 05:49:04 | 日記
 「えっ、知らなかったの?」と、問い返してしまいそうだが、たぶん、誰かの言葉をそのまま拝借したのだろう。私にも、いつだったか忘れたがその事実は衝撃的だった。「春の雷」は「思いがけない」ということに呼応して面白い。
 余談だが、「雷が鳴ったらお臍を取られるから隠しなさい」と言われた事と、祖母の「般若腹見た」と聞こえるお経がごっちゃになって、「死ぬ」って、そういう事なのかと思っていた子供の頃を思い出した。今は雷が鳴ったらパソコンの電源を切る。お経は、般若波羅蜜多心経(はんにゃはらみったしんぎょう)とちゃんと聞き取れるし、般若面とは無関係と知るつまらない老女になってしまった。(博子)