「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

春の虹立つや庭師の空鋏 鈴木幸子

2017-05-05 05:57:22 | 日記
淡い春の虹が立っている。雨が降ってきて手を休めていた庭師が「さあ、やるぞ」とばかりに空鋏を鳴らしている。視覚と聴覚の二物衝撃に仕草を入れ、しっかりとした映像を見せてくる。小休止の茶盆をそのままに、虹に見入っている作者も見えて、「空」「鋏」「空」と、視線の大きな動きが景の広さでもある句。上手いですね。(博子)