「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

別のわれあくがれてゐる雪女 谷口加代 「滝」3月号<滝集>

2012-03-19 12:31:54 | 日記
「雪女」は「天文」の項にある季語。けれども雪女の句が
自然に対する恐れを離れ、雪の性質から儚さを連想させる季
語として詠まれている句もあれば、妖艶さが詠まれることも
ある。さて、作者が抱く雪女への憧れとはなんだろう。色白
で美しく聡明な作者の無い物ねだりとも思えるが、ふと、私
が見本誌として頂いた平成17年4月号で石母田星人さんが
鑑賞されていた
「朧夜の傾きやすき体かな 谷口加代」
を思い出した。憧れは雪と共に暮らした故郷なのかも知れま
せんね。(H)