
映画のサウンド・トラックをジャズ・ミュージシャンが担当することはめずらしくことではありませんが、販売されるアルバムがほとんど自分のクインテットで演奏しているのは、あの有名なアルバムと同じように、久しぶりだしでめずらしい。
ジャズ・アルバムとしては、映画のイメージに統一されたアルバムだし、サウンド・トラック・アルバムとしては凄くJAZZ的で、どちらから見ても魅力的なアルバムです。
1曲目、ミュート・トランペットとソプラノ・サックスの2つのメロディーが、隅のほうが見えないような暗い部屋で、どちらかをとても選びきれない選択を迫られている男がたたずむイメージです。
2006年、Stefano Landini監督の映画の音楽をパオロ・フレスが担当したもので、見たことありませんが、内容は“第2次大戦下のイタリアのJAZZミュージシャンの苦悩と活動”を描いたものらしく、ジャケの中にあるポートレートも暗い感じ、イタリア・ファシズムとナチズムがこじれたような感じで、その間で翻弄されるジャズ・ミュージシャン。
2曲目はテナーから始まるスローなバップ。
3曲目は古いSP盤の雑音のような音から始まる、ミュートでのスウィンギーな曲、数少ない心和む場面かも知れません、曲名は“When Dad Is Coming”
4曲目深い思い綴るバラッド、抑えたピアノのフレーズが良い。
5曲目は、4ビートのウォーキング・ベースにのって60年代のファンキーな曲の感じ、マイルスが吹いているみたいです。
この後しばらくは4ビートJAZZが続きます。
9曲目、途中のテナーとピアノのソロが秀逸な、完成度の高い演奏です。
11曲目、ストレートなジャズ・ギターが入ってムードが1つ変わります。
12曲目ミュートのバラッドは落ち着いた、癒される場面なのでしょう、曲名は“Nightingale Song”。
13曲目はセット・セッションとなり、よりリラックスしたジャズ演奏。
14曲目はフリーの形の入ったダークでシリアスな演奏、フリーキーなテナーの音も、これは映画の中でも最悪の場面なのでしょう、曲名は“The Shooting”短くて助かった。
最後は9曲目と同じ曲をセット・セッション、この曲がメインのテーマのような気がします。
映画のイメージが確立されているので、ジャズ・アルバムとしてはバラエティーに欠けますが、この感じ決して嫌いじゃない。
アメリカ映画のようなハデさはありませんが、映画をストレートにジャズしていて、映画とジャズ、昔はもっと寄り添っていたような、それが懐かしく感じるアルバムです。
この関係大切にして欲しいのですね。
7/8 (SETTE OTTAVI OST)
Polo Fresu - Trumpet, Flugel Horn
Tino Tracanna - Tenor & Soprano Saxophone
Roberto Cipelli - Piano
Attilio Zanchi - Double Bass
Ettore Fioravanti - Drums
Max Carletti - Special guest on Guitar
1.Ascensore Per Il Paradiso
2. Gio' Cervi's Blues (Studio session)
3. When Dad Is Coming
4. Gio' Cervi's Ballad (Studio session)
5. So!
6. Dark Theme
7. Cool Blues
8. Free Up
9. Gio' Cervi's Anatole (Studio session)
10. Gio' Cervi's Ballad (Set session)
11. Sette Ottavi
12. Nightingale Song
13. Gio' Cervi's Blues (Set session)
14. The Shooting
15. Gio' Cervi's Anatole (Set session)