JAZZ最中

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JAZZ騎士 Children's Episode / Piotr Wylezol

2009-10-26 22:33:00 | 聞いてますCDおすすめ


ベースのAdam Kowalewskiのアルバムでしっとりとしたピアノを弾いていたピヨートル・ビレゾウが自分のトリオでデビュー作を飾ったのが2007年、とても凄いピアニストと解るのですが、ちょっといろいろ詰め込みすぎた感があるのが残念でした。ただ安定した懐深さは良く解り、叙情と強さ両面を持つピアニストとして、新しいアルバムを期待していました。

http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20070326

Fresh Soundのニュー・タレント・シリーズから発売になった新しいアルバムは待っていて買いに行きました。
最初の出会いが叙情性が強かったので、それの印象が強く、次のデビューアルバムでもそちらを追っかけてしまいました。
ところが意外と力強い雰囲気もあったわけで、そこらへんがしっかりと今度のアルバムには繁栄しているようです。
1曲目、ファーストインプレッションはおとなしく聴こえますが、聞けばフレーズをしっかりと弾き込む筋の通った演奏で、外見を飾る演奏ではなく、力強さがあります。
2曲目、叙情的なフレーズで始まります。ヨーロッパの香り高い曲ですが、前作も一緒のベース、ドラムスは、これを甘くしない、適度の緊張感でベースソロにつなげて、ピアノソロはやはりフレーズの沸きあがりを大切にする、繊細を感じながら強い意思がある演奏です。
3曲目がモンク“Deal With Myself”これを新しい感じで処理、モンクの曲も新主流みたいにして、これは上手い、そして演奏には筋が通り締まっているのです。
ここら辺を選んで、形にするのは、挑戦の現れでしょうか、上手く行っていると思います。
4曲目は内省的な感じで、ベースのラインとドラムスがしっかりラインを刻むのでだれない。
5曲目は4曲目に情念を着け加えていくように、フレーズがだんだんと熱を帯びていくように感じます。
このピアニスト、ヨーロッパの一人でしょうが、とても強い一面、ヨーロッパの騎士が自分の実力で彷徨った感じの独自の強さを感じます。
これって最初に感じたイメージとは随分違うように思いますが、これはこれで納得できる演奏です。
6曲目はタイトルチューンで、叙情的なメロディですが、だんだんとモーダルな節回しになり、マッコイがいたんだと思う演奏です。(演奏はとても良いです。)
このピアニスト、バカテクを示すわけではありませんが、フレーズをしっかりと作り出していて、そこに強い武士道ではありませんが、意思を感じます。
同じタイトルでの7曲目は、ずっとこれまでをセンシティブのしたのでしょうか、ただそこにも強さがあるので、実はこれだけ抜いてどこかで聞いても凄いと思う。そんな一つ一つを分けて聞けば実力が認識できる演奏です。
8曲目はこの曲どこかで聴いたのですが、どこだか忘れました。

出会いからデヴュー盤、そしてこのアルバムと、このピアニストの存在感は確実に増していると思います。
フレーズをつむぐ力つよさがどんどんとまして、形をつければばよいなどといる演奏はなく、フレーズですべての曲に勝負していく、東欧で戦うピアニストがいることが解ったアルバムです。ちょっと地味ですが、聞き込むと効くかも知れません。
JAZZ騎士道、そんなものがあるわけではありませんが、一人の騎士みたいに感じます。

Children's Episode / Piotr Wylezol

Piotr Wylezol(p)
Michat Baranski(double b)
Lukasz Zyta(ds)

1.Nicholas Patu
2.Promissed Song
3.Deal With Myself
4.Possum
5.Introspection
6.Children's Episodes I
7.Children's Episodes II
8.Sno Peas'

Recorded at Tokarnia Studio in Nieporet on September 7-9, 2007 and May 17, 2008
コメント
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