関東地方の都庁、県庁、区役所、市役所が地域内でかなり細かく空間放射線量の測定を進めており、各役所のホームページで公開している。
実態がかなりわかってきた。
]数値を見ると、想像以上に高い地域があり、放射能雲(プルーム)が風に乗って関東平野に到達し、雨とともに放射性物質が地上に降下し、放射線を出し
続けていることがわかる。
各自治体が公表している数値を見ながら地図を見ているが、慎重にマッピングされた精緻なものである。
関東平野の状況については新聞やテレビも先週から、今週にかけて断片的に報じているが、数値を書いているだけで要領をえないし、結論もない。
新聞を読むのはムダである。
独自に計測したデータを見ると、傾向は自治体の観測結果と同じだった。
放射線量の地域的な頂点は千葉県柏市、流山市あたりで、ついで松戸市、茨城県守谷市である。
東京都東部や茨城県南西部、千葉県北西部の数値が高い。
一方、福島県中通りから南へ、栃木県北部、群馬県西部も高く、風と雨によって関東平野の一部が相当程度汚染されたことがわかる。
平常時は、関東地方の放射線量はだいたい0.05μSv/h前後だから、5倍から20倍は高い。
福島原発の事故は、国際原子力事象評価尺度(INES)でチェルノブイリ原発事故並みのレベル7に引き上げられた(4月12日)。
放射性物質の総量が未発表なのでなんとも言えないが、原子力安全・保安院と東京電力の記者会見を報じた各紙記事によると、放出された放射性物質の量は数十万テラベクレル(保安院と原子力安全委員会の推計で差がある)で、チェルノブイリの520万テラベクレルに対して10%だということだ(1テラベクレルは1兆ベクレル)
レベル7は1-3号機に関する評価であり、4号機は核燃料プールの事故だから含まれていないが、全4機の内部に存在する放射性物質の総量はチェルノブイリより多いのは当然で、4倍から数倍だろう。
1号機の爆発前から放射性物質は外部に出ているので、津波ではなく、地震によって原子炉のどこかが破損し、放射能が漏れたことになる。
その後、津波によって冷却装置が動かなくなり、燃料棒は1、2、3号機とも短時間で全面的に溶融(メルトダウン)したと推定されている。
つまり、大量の放射性物質が、環境に放出される最悪の事故」はすでに起きていたことになる。
チェルノブイリとの違いは、大爆発による大飛散か、小爆発による飛散かの違いだけだ。
大と小の差が10分の1ということになるが、大気中に放出された放射性物質よりも、現在、汚染水10万トンのなかにある放射性物質は72万テラベクレルと、こちらのほうが大量にある。
うまく処置しないと本当にチェルノブイリ並みの事故になってしまう。
いま、福島第一原発のニュースが減り、原発全体が落ち着いているように思えるが、実態はどんどん悪化している。
現場で作業している方々には感謝の言葉もないが、私たちはよく情報を収集し、生活に役立てるよりほかはない。
国民は、関東一円どころか日本全国に放射能が降り注いでいると考えたほうがいい!
また、現場作業員や、近隣の除染作業員の数が減少しており、関係者間に危機感が蔓延している!
安全な公共事業が、景気回復のために発注されだしたからである!