アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

三谷文楽 其礼成心中

2012年09月04日 | 文楽

パルコの看板に文楽が掛かるとは…。
PARCO歌舞伎『決闘!高田馬場』
あの衝撃から何年経ったの?…6年だっ。
やっとやっと三谷が文楽に挑戦してくれたよぉ。
客席にはウキウキ感が漂ってまっせ。
いつもの国立小劇場とはちょっと違いまっせ。
ここは三谷幸喜贔屓のホームグラウンドなんやなぁ。

2012年8月21日(火) 
パルコ劇場 ソワレ B列(5列目)センター

パルコ・プロデュース
三谷文楽 其礼成心中 (それなりしんじゅう) 
作・演出:三谷幸喜
作曲:鶴澤清介 
美術:堀尾幸男 
照明:服部基
出演 :竹本千歳大夫 豊竹呂勢大夫 豊竹睦大夫 
豊竹靖大夫 鶴澤清介 鶴澤清志郎 鶴澤清𠀋鶴澤 清公 
吉田 幸助 吉田 一輔 吉田 玉佳 桐竹 紋臣 桐竹 紋秀 
吉田 玉勢 吉田 簑紫郎 吉田 玉翔 吉田 玉誉 吉田 簑次 
吉田 玉彦 吉田 玉路 吉田 簑之

前説担当で登場したのが三谷人形!プププ。
ツメちゃんだからキュ~ト♪

時は元禄、上方は、曽根崎にある天神の、森に分け入る影二つ
げに思えども、嘆けども、身も世も思うままならず、遊女お初と徳兵衛は、
死んで思いを遂げにけり
これを聞きたるある男「これをテーマに浄瑠璃を、書かない手などないわいな」
それが近松門左衛門、書いた『曽根崎心中』は予想を超える大ヒット、
そして大阪、曽根崎に心中ブームが巻き起こる。
ここで死なんと天神の、森に連日訳ありな、男女がずらり列をなせば、
森の外れの饅頭屋、客足途絶え、閑古鳥。
尽きぬ心中、尽きる客、不吉な饅頭呼ばわりの、風評被害にたまりかね、
店の主の半兵衛は、女房のおかつに留守任せ、森で男女を見つけては、
水差し余所へ追い払う
今日も今日とて半兵衛は、心も空も、影暗く、風しんしんたる曽根崎の、
森を一人でパトロール…(パンフより)

心中を止める饅頭屋の亭主・半兵衛、
「お前らそこで何してんねや!」っちゅうて割り込むねん。

WOOO~~!!現代語や!

そうやと思ってたけど自分の耳で聞いたら、やっぱり驚くでぇぇええ。
後から後から、当世風な言葉が出てくるねん。
逆ギレとか、カミングアウトとか、ハートマークとか、ネイルサロンとか…etc

人形が人間に見えた!!

最初のうちだけやったけどな。不思議な感じやったぁ。
たぶん義太夫が当世の言葉やったからやと思う。
普通の芝居観てるみたいな錯角っっ。こんなん初体験っ。
昔の浪花の人ってもしやこんな感覚で観てたんやろか…。

太夫&三味線が人形の後ろにいるねん!
え、いや、ちゃんと見えてるよ。だからめっさ高いねん床がっ!
出番が終ったらス~っと袖に消えていくんやけど、
あの”爆笑レッドカーペット”みたいに。勿論、座ったまま。
ってことは裏方さんが何かやってるんやろ。引っ張ってんのか!
VIVA!スタッフ



ついこの間、
「太夫と三味線も本舞台の上にいたらええのに。
そうしたら、お客もキョロキョロせんで済むのに」
って母と喋ってたんやけど、聞かれてたんかなぁ。(んなわけない)

半兵衛はカップルの説得に失敗。
何気なく妻のおかつが喋ってみたら…あ~ら不思議ぃ。
それでピカリと閃いた♪
おかつを”曽根崎の母”にして、帰りに饅頭買わせよう。
これが当って当って当りまくってウッハウハ!!

夫婦の着物がゴージャスなもんに大変身っ。
人形の着せ替は舞台上でっ。
3人の人形遣いがガバっと人形を取り囲みっ。
客席から見えないよ~にしてんねん。キャキャキャ♪

心中天網島』が大ヒット!!
心中のメッカが曽根崎からそっちに変わってしも~て、
店はガッタガタに傾いたっ。
キャハハ。ほんまに斜めになってるぅぅ。

途中まで、物語の面白さにグイグイ引っ張られたのに、
ちょっと…脳内が休憩し始めて…。えっとどこらへんでやったかなぁ。

「どうにかしてんか!」
半兵衛が近松門左衛門に掛け合いに行った辺りやったかなぁ。
そうそう、ノンストップの2時間っ!
演者はめっちゃ体力を使ったんと違うかしらん。

半兵衛とおかつの娘・おふくには悩みが…。
これがまたえらいこっちゃぁでぇええ。
なんと、商売敵の網島の店の息子と恋仲にっ。
オオ~!ロミオとジュリエットぉぉおお。
♪エメ~♪唄っちゃうよぉ。(ヅカモードの電源は切って下さい)

それを知った両親はっっ。
「お前に惚れる男がこの世にいるとは思えへんのや」
「確かに器量は中の下ですけどなぁ」
って言うか。親がっ。娘にっ。ガッハッハ

「それなりの心中事件を起したら物語にしてやる」
近松の言葉を思い出した半兵衛。
そうや、心中しよう!
店の借金も返せるし、おふくに迷惑掛けんでええ。
どうせやったら目立つところで死のう!淀川や!

√絵にはならない二人連れ、覚悟を決めたその姿、
それそれなりに美しき それなり心中ここにあり 

ドッブ~~~ンぅぅぅぅ。ブクブクブクぅぅぅう。
こりゃまっちゃぁああ水中バレエかぁあ。ワッハッハ。
しこたま水を飲んであえなく失敗ぃぃ。

そこへやってきたのが、初めて助けたあのカップル。
おかつのアドバイス通りにしたら、幸せになったっちゅうて、
ぎょうさんのお金を持ってきてん。饅頭代やって。
命捨てんでエエやんか。貰っとこ♪

水に浸かってビッショビショになった饅頭を、
夫婦で半分こしながら、この味ええで。と商売話。
そうやって家路に向かう半兵衛とおかつ。
舞台奥に歩いて行くでぇぇえええ。後ろ姿って!!
宝塚歌劇かっっ!!キャハ。
ビックラこいだのはそれだけやなかったぁ。
チュッチュッてぇええ!キッスしたぁあああ。キャハハハ
中年のおっちゃんとおばちゃんが!

カーテンコール!
あるでしょ、あるでしょ、そうでしょう。
人形遣いが頭巾を取ってズラリと顔出しぃい。
若いっっっ!!!
ヤンヤヤンヤの大喝采っっ。
太夫&三味線チームは高いとこから手を振ってるしぃぃ。
私もおもいっきり振ったでぇええ。
文楽でこんなこと出来るなんて夢のよ~やぁ♪
また鶴澤清介の笑顔がエエねん♪
この座組の中では若手ちゃうし、作曲も担当してるし!
きっと色んな苦労があったと思うねん…。

そうそう、
どうやって三谷が演出したのか知りたかってんけど、
書いてありましたな。パンフレットに。
このパンフがまた遊び心満載やでぇえ♪
B5より一回り小さくって(ってことはB6)2冊セット。
何かと思ったら、1冊は床本っっ!!
しかも、太夫がいっつも見台に置いてるやつみたいな。
あんなムード満点やね~ん♪2000円也
朝日新聞では三谷コラム”ありふれた生活”で稽古場秘話を連載中!

三谷幸喜&三味線、太夫、人形遣い。
このチームワークがあってこその入魂の1作。
アッパレじゃ!!

人形の首(かしら)って役割がきちんと決められてるんだけど、
三谷が首の写真集を見て、キャスティングしたって!プホ~!
饅頭屋のオヤジ半兵衛は”虎王”…!
見るからに意地の悪い面構えの老人役の首
パルコではどう見ても人のエエおやっさんやったけど。
義平次やん。9月公演の『夏祭浪花鑑』で見れるぞい♪

照明もミラーボールクルクル回したり、
ロープを手摺(人形遣いの腰から下が隠れる板)に見立てたり、
閑古鳥が飛んだり、
目で観る楽しさってのもてんこ盛りぃ、やってんけど…。
伝統芸能の新作って一筋縄では行かないんやなぁ。
落語だって桂三枝(現:文枝)の新作とか、茂山狂言の新作とか。
笑うんやで。オモロイねん。
そやけどリピリたいかっちゅうたら…ウ~ム。
初めての世界やったから、抜き足差し足忍びし…やったんかも。
だから”それなりに”面白かったっていう。それがオチか(んなアホな)
これは始めの第一歩。三谷もまだまだやるき満々!
キョワァアア!第2弾絶対にお願いしますぅぅぅ。

で、パルコプロデュースだけにDVDは発売してくれるのかしらん。
おっとその前に、パルコ歌舞伎はWOWOWでOAしたよね!
ほんじゃぁパルコ文楽もっっ!!絶対絶対お願いしますぅぅぅ。
こりゃぁ文楽を全国に広めるチャ~ンス。

文楽初体験をされた方々、お次は是非こちらへレッツ♪ 
→ 9月文楽公演 

『曽根崎心中』と『心中天網島』
本公演でこれが掛かったら、100%『其礼成心中』を思い出すわな。

文楽は永遠に不滅だっっ!!

公開舞台げいこ写真ギャラリー
読売新聞
毎日JP

三谷幸喜 パルコ文楽 始動! (2012.2.8記)
PARCO歌舞伎 決闘!高田馬場 (2006.4.10)

~追記~
再演 2013年 (2013.9.10記)
今年は京都の夏がめっちゃアツイっ!!三谷文楽 其礼成心中 公演決定! (2014.3.15記)