goo

「養生の実技」その2

2013年09月16日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
128ページ
タバコはいまは吸わない。 敗戦後13歳の夏から吸っていたのだが、呼吸が苦しくなったのがきっかけで止めた。
不思議なもので、タバコを吸う人が早く死ぬとは限らない。ヘビースモーカーが肺ガンになっても、自業自得と思えば納得がいく。若い頃から1口も吸わなかった人が肺がんになったときは、さぞかし不本意なことだろう。
努力して禁煙できた人を、私は偉えらいとは思わない。そういう人は本来はタバコと縁のない人だったのである。病気が治らないのと同じように、タバコは止められない。
私が十代のころから吸っていたタバコをやめたのは、息ができない苦しさのおかげである。呼吸困難と喫煙のどちらかを選ばなければならなかったのだ。私は息ができる方を選び、タバコを捨てたのである。タバコはやめようとは思わないことだ。縁がなければ、いやでもやめる。やめられないということは、10年か5年、命をちぢめて楽しい方を選んだのだから後悔しないほうがいい。
goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。