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『希望の資本論』その16

2017年03月08日 | O60→70(オーバー70歳)
【149ページ】
池上 『資本論』を読むと、実は資本主義によって労働者たちは鍛えられ、能力が開発されていく、あるいはそこで労働者が団結する、そういう組織化する力もついてくるんだということも言っている。資本主義はそういう労働者を育てるというところもあるんですね。資本主義がすべてダメというわけではないということを、実はちゃんと書いてあるんです。

佐藤 それから9年の義務教育、世界基準では大体11年、12年なんですが、それだけの長期間の義務教育がなぜなされるかというと、そういう義務教育で基礎教育をしておかないと、技術革新に対応できないからですよね。要するにOSをもらえるわけなんですよ、この資本主義というシステムに適応できるようにするために。

池上 なるほど。

佐藤 OSを持っていれば、そこに何らかのアプリを入れれば動くようになるわけです。

【152~153ページ】
佐藤 岡崎次郎さんは面白い人で、4億、5億と印税が入ったが、お金を全部使ってしまったと。それで、奥さんと一緒に失踪してしまうんです。~。
それから、国家社会主義者の高畠素之が訳した日本最初の訳を、徳間書店から復刊してもらおうと思っています。文学的センスのある名訳です。彼は戦前、日本で一番最初に『資本論』を訳したのですが、なかなか文学的センスがあるので、訳がいいんですよ。誤訳が多いという人もいるけれど、必ずしもそうではない。この人は『資本論』を訳しているうちに、『資本論』は正しいけれどマルクス主義は間違っている、と思うようになった。そして国家社会主義者になった。どうしてかというと、マルクスは進化論をよく知らない。人間は性悪な存在だから適者生存でやっていくので、この資本主義の論理が適者生存の中に入っていったら大変なことになる。だから最大の暴力装置である国家によって資本を抑えないといけないという主張をした。こういう経緯があるので、左翼系の人は高畠訳を評価しない傾向がある。

[ken] 149ページでは、資本主義社会における「教育とは何か」がよく理解できます。労働力の商品価値(賃金)は、①衣食住と娯楽費用②次代の労働力の再生産費用③技術革新に付いていくための学習費用の3つで決まります。子どもの教育および労働者自身が学習費用を負担することに加え、資本主義社会は国家的にも義務教育(無料)や高校・大学教育(手厚い助成)への支出が、システム維持のためには不可欠なのですね。152~153ページの岡崎次郎さんは人柄に興味をひかれますし、高畠素之さんのエピソードは政治動向や世論をみていく上で参考になりますね。(つづく)
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レトロな魔法の灰皿!

2017年03月08日 | たばこの気持ち
野毛小路の外れのほうで、お店の前に見慣れぬスタンド灰皿を見かけました。商標をみると「魔法の灰皿」でした。おそらく、たばこの吸い殻をもみ消しせず、そのまま中央の穴に放り込むと、自然に消える方式なのでしょう。なかなかシックな趣に感動しました。
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