息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

カレンとノエルとママ洋子

2012-12-17 12:18:23 | 著者名 か行
桐島洋子 著

未婚の母で一世を風靡した著者。
その子どもたちが10代の頃、親子3人が語り合う形でまとめられた一冊。

モデルの長女かれんとエッセイスト・ノエルの姉妹は、私とほぼ同世代なので、
懐かしさとともに時代を振り返る作品でもある。
日本がどんどん力をつけて海外へと進出し、新しい文化が
次々と生まれる華やかな時代の足音は聞こえていた。
無理をして買ったDCブランド、お決まりの遊び場だったディスコ。
手が届き始めた海外旅行など、みんなが自信に満ちた時代だったなあ。

ただ違うのはスケール。
インターナショナルスクール、アメリカ暮らし、マスコミでの活躍、
国内外を意識しない進路の選択などなど、華やかそのもののエピソードは、
まばゆいばかりだ。
だって当時私はすごい田舎で、厳しいカトリック女子校に通い、
がんじがらめの家庭にいて、将来にすら希望は皆無だったのだから。

羨ましい反面、パワフルな母をもった子どもたちの寂しさや大変さも
今となっては読み取れる。
そして母の再婚を迎えた混乱や反発も。

ヒリヒリと傷つきやすく、それを見せるまいと虚勢をはっていたあの頃の自分。
思うままにならないことが多すぎて苦しいことが多かったけれど、
それでも懐かしいと思えるのは年を重ねたからだろうか。
いま、そんなことから解放されて平和でいることがとても嬉しい。

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