今邑彩 著
名門天川学園の創立祭で、演劇部はクリスティの『そして誰もいなくなった』を上演した。
しかしその本番で、役柄そのままの服毒死が起こってしまう。
もちろん芝居は中止されたが、それから台本通りにそれぞれの役を演じるはずだった生徒が
殺されていく。
演劇部部長・江島小雪と顧問・向坂典子は、部の存続のためにも、部員の身を守るためにも
事件の謎を解こうする。
しかし、意に反して殺人は次々と進み、ついに次は江島の番になってしまった。
とてもテンポがよくて読みやすい作品。
だが、どんどん変わり、やがてどんでん返しを迎えるストーリーはとっても説明しにくい。
即ネタバレだし。
ちょっと古い作品なので、小さな違和感がエピソードのそこここに出てしまうのだが、それでも
女子高生という揺れる心と、あふれるパワーをもつ年代をとてもうまく切り取っている。
部活に打ち込みながらも、私生活に心を悩ませていたり。
将来への漠然とした不安に苛まれていたり。
誰にもいえない小さな秘密が、いつの間にか増幅して力をもち、運命をも左右する恐怖。
ここに彼女たちとさほど違和感を感じない、若い女教師を配したことが効果的だ。
謎解きはやや後味が悪いものの、殺人の意味は明確にされる。
クリスティを読んだあとだと、より楽しめることは確実だ。
名門天川学園の創立祭で、演劇部はクリスティの『そして誰もいなくなった』を上演した。
しかしその本番で、役柄そのままの服毒死が起こってしまう。
もちろん芝居は中止されたが、それから台本通りにそれぞれの役を演じるはずだった生徒が
殺されていく。
演劇部部長・江島小雪と顧問・向坂典子は、部の存続のためにも、部員の身を守るためにも
事件の謎を解こうする。
しかし、意に反して殺人は次々と進み、ついに次は江島の番になってしまった。
とてもテンポがよくて読みやすい作品。
だが、どんどん変わり、やがてどんでん返しを迎えるストーリーはとっても説明しにくい。
即ネタバレだし。
ちょっと古い作品なので、小さな違和感がエピソードのそこここに出てしまうのだが、それでも
女子高生という揺れる心と、あふれるパワーをもつ年代をとてもうまく切り取っている。
部活に打ち込みながらも、私生活に心を悩ませていたり。
将来への漠然とした不安に苛まれていたり。
誰にもいえない小さな秘密が、いつの間にか増幅して力をもち、運命をも左右する恐怖。
ここに彼女たちとさほど違和感を感じない、若い女教師を配したことが効果的だ。
謎解きはやや後味が悪いものの、殺人の意味は明確にされる。
クリスティを読んだあとだと、より楽しめることは確実だ。
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