息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

犬神家の一族

2013-07-29 10:53:41 | 著者名 や行
横溝正史 著

何度も映画化、ドラマ化されているので、知っている人は多いはず。
でもやっぱり文章として読んだほうがじっくり謎に取り組めて楽しい。

信州財界ではならぶものがいない犬神佐兵衛が死んだ。
その莫大な遺産を巡り、骨肉の争いが始まる。

犬神佐兵衛は正妻がおらず、腹違いの娘が3人いた。
しかし彼女たちの関心は遺産のみ。唯一彼の死を悼んでいたのは恩人・野々宮大弐の孫娘
珠世だけだった。

注目が集まった遺言状の公開で、犬神家の家宝“斧(よき)・琴・菊”が珠世に
譲られることが宣言される。それはすなわち相続権を意味した。
そして遺産は珠世が選んだ婿に与えられることとなった。
候補者は3人。
長女松子の息子・佐清(すけきよ)、次女竹子の息子・佐武(すけたけ)、三女梅子の息子佐智・(すけとも)。

佐武は殺害され、珠世に疑いが向けられる。
血で血を洗う相続争いが始まった。

もっとも印象深いのは“斧・琴・菊”にちなんだ見立て殺人や、戦争でけがを負った佐清のマスクで
あろうか。
ショッキングな映像が続き、物語はスピーディに進んでいく。

いつも夏休みになると、こういう怖い映画のコマーシャルが流れていた。
心の準備がないときに見ると相当ショッキング。
特に一人で起きている夜中は嫌だったなあ。

その怖さに打ち勝つために、原作を読んで解決を知るというのが、その頃の行動パターンだった。
映画はあとでTV放映されたときに見たものが多い。
どっちにしても怖がりの私、劇場では無理だった気がする。
どんなに怖くても文章ならわりと落ち着いて読めるんだけど、不思議なものだ。

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