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高野裕美子 著
鳥インフルエンザ、新型インフルエンザの騒ぎは記憶に新しい。
人の出入りが多い部署にいたときは、マスクと使い捨て手袋着用という
ものものしい騒ぎになったこともある。
インフルエンザそのものもさることながら、型が進化してしまう、という
ところに恐怖があると思う。
そしてこの物語はまさしくそれが現実化し、とりかえしのない事態になった
世界を描く。
遺伝子組み換えの食物を食べた鳩が大量死し、その死骸を食べたカラスが狂暴化、
人間を襲い始める。傷ついた人の皮膚はとけ死亡する。
この恐ろしくかつ不可思議な事態に、ある研究所の助手と保険調査員が立ち向かう。
アレルギーによるアナフィラキシーショック。
利益を求めるあまりに不用意に続けられたDNA操作。
驚くのはこの小説が、鳥インフルエンザも新型インフルエンザもまだまったく
言われていない時期に書かれたということだ。
ここまで先を読まれていたとは……。
そして、それが過去のものとなった今読んでも面白い。
いつあってもおかしくない出来事。何が起こってもおかしくない世界。
遺伝子組み換えひとつとっても、最初はすごく抵抗を感じたし、いまもできるだけ
避けてはいる。しかし、見回せばごく普通の商品にも入り込んでいることに気付く。
これだけの人間が地球上で暮らし、なんとか食べていくためには、必要悪では
あるのだろう。でも、その影響がどこまで及ぶのか、人間の力ではわからない。
アレルギーもそうだ。ごく普通、と思われるものを食べただけで瀕死の症状を
起こす人がいる。古くからの知恵ではたちうちの出来ない状況。
便利と豊かさ。その裏側に必ず存在する闇の部分。
この闇を飼い馴らすためには、思い通りの光を作ることばかりに気を取られては
ならないのだろう。時には弱い光で満足することも必要なのだ。
何が解決になるのか、どこで止めるべきなのかはわからない。
でも考えるきっかけになる一冊だと思う。
鳥インフルエンザ、新型インフルエンザの騒ぎは記憶に新しい。
人の出入りが多い部署にいたときは、マスクと使い捨て手袋着用という
ものものしい騒ぎになったこともある。
インフルエンザそのものもさることながら、型が進化してしまう、という
ところに恐怖があると思う。
そしてこの物語はまさしくそれが現実化し、とりかえしのない事態になった
世界を描く。
遺伝子組み換えの食物を食べた鳩が大量死し、その死骸を食べたカラスが狂暴化、
人間を襲い始める。傷ついた人の皮膚はとけ死亡する。
この恐ろしくかつ不可思議な事態に、ある研究所の助手と保険調査員が立ち向かう。
アレルギーによるアナフィラキシーショック。
利益を求めるあまりに不用意に続けられたDNA操作。
驚くのはこの小説が、鳥インフルエンザも新型インフルエンザもまだまったく
言われていない時期に書かれたということだ。
ここまで先を読まれていたとは……。
そして、それが過去のものとなった今読んでも面白い。
いつあってもおかしくない出来事。何が起こってもおかしくない世界。
遺伝子組み換えひとつとっても、最初はすごく抵抗を感じたし、いまもできるだけ
避けてはいる。しかし、見回せばごく普通の商品にも入り込んでいることに気付く。
これだけの人間が地球上で暮らし、なんとか食べていくためには、必要悪では
あるのだろう。でも、その影響がどこまで及ぶのか、人間の力ではわからない。
アレルギーもそうだ。ごく普通、と思われるものを食べただけで瀕死の症状を
起こす人がいる。古くからの知恵ではたちうちの出来ない状況。
便利と豊かさ。その裏側に必ず存在する闇の部分。
この闇を飼い馴らすためには、思い通りの光を作ることばかりに気を取られては
ならないのだろう。時には弱い光で満足することも必要なのだ。
何が解決になるのか、どこで止めるべきなのかはわからない。
でも考えるきっかけになる一冊だと思う。
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