息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

コンダクター

2014-07-29 10:44:01 | 著者名 か行
神永学 著

ミュージカルのために結成されたオーケストラを舞台にした
七日間の物語。

フルート奏者の朽木奈緒美はこのオーケストラで音大時代の
友人たちと再会した。
留学から戻ったばかりの指揮者・結城。
ピアノ奏者の玉木。彼の婚約者であり、かつて結城の恋人であった
ヴァイオリン奏者・真矢秋穂。
懐かしい顔ぶれのはずなのに、そこには不協和音が響く。
それは奈緒美の部分的に失われた記憶と関連があるように思えた。

奈緒美が住むマンションの近くにあるアパートで死体が発見された。
それは、死後数年を経過した首なしの白骨でなぜか写真を握っていた。
刑事・石倉と新垣が捜査を開始する。そこにはオーケストラのメンバー
たちが見え隠れした。

後半たたみかけるような展開で止められなくなる。
人物像が入れ替わり、新たな顔を見せ、目まぐるしい。
そしてその複雑な構成が最後、一気に明らかになる。
読んだ!という感覚を味わいたいなら絶対いい。
綿密な取材が行われたのだろう、音楽の世界や楽器に対する知識、
また音大の雰囲気なども楽しめた。

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