息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

ミザリー

2013-03-28 10:03:12 | 著者名 か行
スティーヴン・キング 著

映画化されたかの有名なサイコサスペンス作品。

熱心すぎるファンが裏切られたと感じたとき、
そこにはものすごい負のエネルギーが生じる。
可愛さ余って憎さ百倍そのものの物語だ。

著者自身もここまでとはいわないが、ファンからかなり怖い目に合わされたらしい。
人気商売って怖い。

ベストセラー作家ポール・シェルダンは「ミザリー」最新作の原稿をもって移動中、
吹雪の中で崖から転落する。
両足骨折という大怪我を負った彼を救ったのは、元看護師のアニーだった。
彼女は連載中の小説「ミザリー」の大ファンで、作者であるシェルダンの世話が
できることに感激していた。

しかし、彼女が「ミザリー」の結末を知ったとき、それは一変する。
納得しない彼女は狂気をむき出しにし、シェルダンを包丁で脅し、
さらには薬物中毒にさせて、思い通りの小説を書かせようとする。
もともと精神異常の彼女は、ミザリーへの思い入れも普通ではなかった。

一旦絶望から救われたと思わせておいて、徐々に相手の異常性があらわになり、
退路を絶たれていくさまは絶望的な恐怖。
もっと怖いのは「『ミザリー』のモデルは私だ!」と著者を訴えた女性がいたこと。
もはや眠れないレベル。

タイプライターの「N」のキーが壊れていて、そこだけ手書きする場面なんて
妙にリアルでなにか意味があるのか?と深読みしたくなる。

ちなみに映画も見た。
……すごく怖かった。