息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

魔界の塔

2013-03-26 10:37:06 | 著者名 や行
山田悠介 著

絶対に倒せないボスがいるRPG。
もうそれだけで破綻しているのでは?と思うのだが、倒してみせるというゲーマーが
それに挑戦し、敗れていく。
それだけではない、彼らは次々に倒れ意識不明になって病院に担ぎ込まれたのだ。

高校卒業以来、日々をゲーセンで過ごす主人公・嵩典は、
ゲーム仲間からそのRPG「魔界の塔」の噂を聞いた。
そして彼もそのゲームの被害者となり、
ゲームの画面には「お前も、石にしてやるわ」というメッセージが残されていた。

嵩典は自らこの「魔界の塔」に挑むことにする。
時を同じくして彼の将来を案じた叔父から、ゲーム会社への就職の紹介が持ち込まれた。

前半はどうなることかとワクワクする。
舞台設定は申し分ない。なのに。
どうも尻切れトンボというか、物足りないのだ。

勝手に期待したゲームの謎はたいしたものではなく、ゲーム制作者の個人的な事情で
終わってしまう。
いやそれは構わないのだが、その事情ですらなんだか曖昧に終わってしまうのだ。
因果関係を匂わせておいて、結局夢で見たよ程度に終わっても、読む方は?どうしたら?

というわけでかなり不満が残ったのだが、これ書き方しだいではかなり面白くできそう。
せっかくのテーマがもったいないなあ。