宮尾登美子 著
身の回りのことを切り取り、描き出したエッセイ集。
表題作のモデルの店は「椿」であろうか。美味しいんだよね。
こういうブログネタみたいなほのぼの平和なものから、
波乱万丈の引き上げ生活のエピソード、戦前の芸妓になるべく
売られたきた少女たちとの暮らしなどなどバリエーションがすごい。
どれも短くきりっとまとまっているので、ひとつずつ楽しみに
読んでいった、
たとえるなら、さまざまな色が並んだ色鉛筆から、次はこれと
選び出すようなうれしさがある。
私は著者の作品が大好きでほとんど読んでいるが、それらの
後日談やサイドストーリーみたいなものがとても面白い。
『寒椿』の少女たちのその後。
『寒椿』そのものが著者の自伝的小説のサイドストーリーのようなものだから、
さらにそれを違う角度から見せてくれる感じがとてもいい。
『仁淀川と暮した二十年』は農家の嫁という大変な立場ながら、のどかな自然に抱かれた
生活が語られる。これは『朱夏』『仁淀川』の舞台を描き出したもので、
ゆったりたっぷりと流れる仁淀川に抱かれた“土佐のデンマーク”は抗いがたい魅力がある。
ある程度予備知識があったほうが楽しめるが、宮尾作品入門編としてさらりと読み、
そのあと小説に入ってみるのもいいかも。
身の回りのことを切り取り、描き出したエッセイ集。
表題作のモデルの店は「椿」であろうか。美味しいんだよね。
こういうブログネタみたいなほのぼの平和なものから、
波乱万丈の引き上げ生活のエピソード、戦前の芸妓になるべく
売られたきた少女たちとの暮らしなどなどバリエーションがすごい。
どれも短くきりっとまとまっているので、ひとつずつ楽しみに
読んでいった、
たとえるなら、さまざまな色が並んだ色鉛筆から、次はこれと
選び出すようなうれしさがある。
私は著者の作品が大好きでほとんど読んでいるが、それらの
後日談やサイドストーリーみたいなものがとても面白い。
『寒椿』の少女たちのその後。
『寒椿』そのものが著者の自伝的小説のサイドストーリーのようなものだから、
さらにそれを違う角度から見せてくれる感じがとてもいい。
『仁淀川と暮した二十年』は農家の嫁という大変な立場ながら、のどかな自然に抱かれた
生活が語られる。これは『朱夏』『仁淀川』の舞台を描き出したもので、
ゆったりたっぷりと流れる仁淀川に抱かれた“土佐のデンマーク”は抗いがたい魅力がある。
ある程度予備知識があったほうが楽しめるが、宮尾作品入門編としてさらりと読み、
そのあと小説に入ってみるのもいいかも。