哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

『博士の愛した数式』

2005-12-20 04:39:33 | 
 フィクションより、ノンフィクションの方が好きなので、あまり小説は読まない方ですが、この小説は最近文庫本になり、しかも映画化された話題作というので読んで見ました。

 いきなり話がずれますが、題名は明らかにスタンリー・キューブリック監督の名作ブラックコメディ『博士の異常な愛情』を思い出させます。この映画は、かのコメディ脚本家の三谷幸喜さんがもっとも薦めるコメディの2番目として推薦されていました(1番目は秘密だそうですが)。私も当時の時代背景を想起できることも含めて、この映画は大好きです。主人公の役者が1人3役で、アメリカ英語・イギリス英語・ドイツなまり英語を使い分けるのもおもしろいと思いました。

 またもう一つ話がずれますが、精神病の数学者という設定は、映画『ビューティフル・マインド』も思い出します。主演のラッセル・クロウの前作『グライディエーター』が大変気に入ったし、ゲーム理論の数学者の実話という話に惹かれて映画館に見に行きました。 

 で、この小説の方ですが、こちらはあくまで軽い読み物でしたので、テレビでドラマをつらつら眺めるような感じで読める、一服の清涼剤のようでした。よく練られた内容の小説だとは思いますが、ちょっと映画化作品はあまり見る気にはなっていません。