哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

子供たちからのクリスマスプレゼント?

2005-12-01 02:08:59 | 語学
 NHKラジオの『シニアのためのものしり英語塾』で面白い文がありましたので、紹介します。

「Christmas is a time when kids tell Santa what they want and adults pay for it.Deficits are when adults tell the government what they want and their kids pay for it.」

 後半の文章の冒頭、Deficitsとは財政赤字だそうです。財政赤字は将来の世代の増税負担にならざるをえないことを皮肉ってます。クリスマスにひっかけて言うとは、言い得て妙、ですね。でもクリスマスプレゼントだ、と浮かれる話でもないし、ましてや大人たちが開き直る話でもありませんが。

 財政赤字はもちろん、年金問題も同じですね。これからの年金保険料を上げて、同時にこれからの保険金給付を減らしていくわけですが、若い世代ほど損をする構造は確定しています。仮に若い世代が年金保険料を払わなくても、年金財源が足りなければ税金により補填しないといけないのですから、若い世代に負担がかかるのは全く変わりません。

 税金や保険料を若い世代が負担するとしても、個別の誰が負担するかは政策の問題です。よく池田晶子さんは、税金がどう使われようとくれてやったもの、と関心を示さない態度で一貫していますが、(公正な)国家運営の立場からは公正な税徴収および公正な配分は不可欠ですから、民主主義のもとでは、良識ある政治家を選ぶくらいの良識を国民が持てれば、子供たちが大人たちへのクリスマスプレゼントの請求書を見てびっくりすることはないかもしれません。でも現状では、それが難しいようです。もらったもん勝ちみたいで。