哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

密約

2010-03-31 23:01:10 | 時事
 日米安保に関係する密約の話が喧しい。池田晶子さんも取り上げそうな話題だが、どのように切り込んだだろうか。

 国家政策に機密はあるだろうし、国家間の外交においても機密はつきものだろう。外交が友好親善だけで済む話なら、胸襟を開いて話せばいいだけだが、経済問題にしろ軍事問題にしろ、交渉ごとも多くあるわけであるから、秘匿すべき情報も多いだろう。民主主義国家だからといって、何でも国民にオープンにできるわけはない。

 その代わり、国民はそのような政治も安心して任せられる政治家を選ぶことが大事となる。そのような政治家を選挙で選んでいるかというと、果たしてどうか。タレント政治家や地元利益誘導型政治家をえてして選んでいるのでは、国民も政治家もレベルが知れている、との話は池田晶子さんも書いていたことだ。


 ところで、塩野七生さんは文藝春秋の連載で、密約があったからこそ沖縄は平和裡に日本に返還されたと思う、それができなかったから北方領土は返還されなかったのかも、と書いておられた。確かにそうなのであろう。さらに、密約というウソをついてでも、つまりは自分は地獄に落ちてでも国民を天国に行かせる、というくらいの覚悟がある指導者でなければ、リーダーに値しない、と手厳しい。

 そのような政治家がいないとすれば、そのような政治家を選べない国民でしかないということになってしまうのだろう。