ほぼ毎週見ているNHK日曜美術館の司会役に、姜尚中氏が登場したのには少々驚いた。既にメディアでの露出が多い人だったが、基本的に政治学者としか思っていなかったので、いくらなんでも美術専門番組にレギュラー出演というのは違和感が強かった。
しかし表題の本を読むと、姜尚中氏は徹底した論理の先に極めて強い感性を持っているように思い、美術に発揮される豊かな感性と共通するのでは?とも思うようになった。
以前この人のベストセラーである『悩む力』を取り上げたが、この本はそれ以前の出版であり、いずれを読んでもそのしなやかながら強い感性が確かに共通するように思った。例えばこの本のあとがきには、「第六感」についての話があり、政治における感性を磨くことを、自らを例として述べている。
さて、池田晶子さんの力強い言葉の一つである「人が国家を存在する、自分はそこに属すると思う、この思い為しこそが国家を存在させ、存在もしない国家を守るために闘おうという驚くべき本末転倒になるのだ」という言葉に接するとき、一瞬凡人である自分は思考停止に陥る。全くの正しい言葉を前に、一瞬絶句してしまうのだ。しかし池田さんは、有無を言わせぬ思考停止を求めているわけはなく「考えよ!」と言っているのだから、自分がそこから考え始めるしかない。
確かに、人間は歴史上国家を作り、そして憲法を作ってきた。そして今自分のいる、日本国憲法を有する日本という国家というものについて、またアジアについて、あらためて考える材料としてこの本は大変有益である。
しかし表題の本を読むと、姜尚中氏は徹底した論理の先に極めて強い感性を持っているように思い、美術に発揮される豊かな感性と共通するのでは?とも思うようになった。
以前この人のベストセラーである『悩む力』を取り上げたが、この本はそれ以前の出版であり、いずれを読んでもそのしなやかながら強い感性が確かに共通するように思った。例えばこの本のあとがきには、「第六感」についての話があり、政治における感性を磨くことを、自らを例として述べている。
さて、池田晶子さんの力強い言葉の一つである「人が国家を存在する、自分はそこに属すると思う、この思い為しこそが国家を存在させ、存在もしない国家を守るために闘おうという驚くべき本末転倒になるのだ」という言葉に接するとき、一瞬凡人である自分は思考停止に陥る。全くの正しい言葉を前に、一瞬絶句してしまうのだ。しかし池田さんは、有無を言わせぬ思考停止を求めているわけはなく「考えよ!」と言っているのだから、自分がそこから考え始めるしかない。
確かに、人間は歴史上国家を作り、そして憲法を作ってきた。そして今自分のいる、日本国憲法を有する日本という国家というものについて、またアジアについて、あらためて考える材料としてこの本は大変有益である。