哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

立花 隆さんの「サイボーグ技術が人類を変える」

2005-11-05 22:55:53 | 科学
 今日のNHK特集は表題のテーマで、大変興味深く見ました。立花 隆さんといえば、知の巨人として絶大な人気を誇るジャーナリストですね。

 番組の内容は、大きく分けると4つの内容でした。
(1)身体の機械化
 神経の電気信号を読み取って機械の手が意思通りに動かせる。事故で手足を切断されても代替が可能。さらにビデオ画像を電気信号にして脳に送り、目を代替する機械も開発中。
(2)機械に合わせて脳が変化
 神経の電気信号で機械を動かすやり方を脳が学び、本当の手を動かすのと同じように動かせるように脳が変化する。
(3)機械が脳を調整する
 脳の異常に対し、機械を体に埋め込んで電気信号を送って脳の信号を整え、パーキンソン病やうつ病患者を正常な状態に維持することは実用化されている。
(4)脳コンピューターインターフェース
 脳に電極を埋め込み、脳の電気信号を取り出して直接コンピューターに繋ぎ、あらゆる操作を脳だけで行う。軍事技術としても利用価値大。ラットや猿の実験では逆に脳へ信号を送って外部から身体の動きを制御することも可能になっている。

 だいたい以上のような内容でした。番組内での立花さんの発言は、人間の心が機械に還元されてしまわないか、というような言い方が多く、だから池田晶子さんにオッチョコチョイと言われてしまうんですよね。(私たち凡人は畏れ多くて絶対言えませんが。)

 画面に繰り返し「ヒトはどこへ行くのか」という言葉が出てきますが、池田さん的に答えるなら、いくら科学技術が進歩しようと、ヒトの存在の仕方は一向に変わらないと答えるべきなのでしょう。身体の機械化が進もうが、脳の電気信号が解明されようが、生きる価値については何も答えたことにならないと。
 でも技術革新はどんどん進めてもらってかまわないと思いますよ。ただ物質と精神の問題は別だと言っているだけなのですから。