哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

お金を稼ぐと言う子供(週刊新潮今週号の「人間自身」)

2005-11-03 19:15:11 | 哲学
 池田晶子さんの週刊新潮連載今週号の「人間自身」は、「お金を稼ぐと言う子供」という題でした。

 抜粋すれば、「子供向け投資セミナーで子供たちが「お金持ちになりたい」と言ったり、親が「お金は生きる上で大切なのに学校で教えてくれない」と言う。馬鹿もほどほどにしなさい。お金よりも生きる上で大切なことを教えるのが教育である。金持ちになりたいとは、夢でなく欲望である。金持ちになったところで、人生の何がどうなるのだ。「生きる」とは命によって生きるが、どんな金持ちも死ぬ時に命は買えないのである。」

 そういえば何でも金で買えると言っていた若き経営者もいましたね。一般庶民はその発言に対して、違和感に加えてやや嫉妬感を持ったりします。やっぱりお金はあった方がいいとは思うし、実力があれば高所得を目指すことも当然のように考えます。池田晶子さんもお金を「得る」ことを全面否定するわけではなく、「お金はあればあったでいいじゃないか。それだけのこと」と言い、金稼ぎの自己目的化を批判しているものでしょう。

 「お金を大切にすること」は、「お金を粗末しない」という程度には言われるべき命題のようにも思います。それは「資源を大切にしよう」とかいう程度には、という趣旨で、決して本末転倒にならないようにです。ただ、若き資産家に嫉妬しているレベルでは、まだ「考え」が甘いんでしょうね。

 今週の池田晶子さんの言葉
「お金で命は買えない。生きる上で大切なものはお金ではない。」