今日は各地から開花の便りが届きそう、島岡美延です。
私たちが感じる桜への憧れ、その光景を美しいと感じるのは自分自身の感性? 「美しさ」について、色々考えるのが楽しかった本、田中真知著『美しいをさがす旅にでよう[増補新版]』(白水社)。2009年出版から教科書に載るなどしていた本書、昨年末に出た新版。
「風景は発明されたもの」という第一章。子どもの頃から、カレンダー、絵葉書など様々な〈美しいとされる景色〉を刷り込まれて生きているのかも。著者がアフリカで写真を撮っていた時、そこに生きる子どもたちには、この風景は珍しくもなんともないと気づく。風景とは学習して初めて見えてくるもの。
新版のあとがきの言葉を要約すると「人は賛美を通して外界や他者とのつながりを確認する。一方で賛美への執着には危うさも。芸術と権力は結びつきやすく、ある権威以外のものは否定や攻撃の対象に――」。
だから、見つけたい、日々の小さな賛美、権威化されていない美しさを。