寒露はずっと雨で気温は急降下、島岡美延です。
その土地に行きたくなる、そこでしか映らないものがある――、そんな物語を二つ。映画『おしゃべりな写真館(11日公開)』の藤嘉行監督が先週ラジオに登場。北海道、十勝鹿追町に移住して(!)撮った映像が絶品。写真館三代目店主(橋爪功)が遺言で店を託したのは亡くなった娘(賀来千香子)の夫で写真家の松原(中原丈雄)。京都から山村留学で来ている少女は幽霊とも会話出来て・・・。「大切にしたいもの」が見えてくる物語。
昨日のラジオに登場したのは映画『カフネ(12日公開)』の杵村春希監督。大阪芸大在学中に三重県熊野でオールロケ敢行。23歳の若い監督はオーディションで選ばなかった俳優にも手書きで手紙を送るそう。その感性が生んだ物語は、思いがけぬ妊娠に戸惑う高校3年生、澪が主人公。親友・夏海との関係性がいいです。どうしていいかわからない同級生の彼氏、澪の両親、見守る女医・・・。これもまた、熊野の坂道や海が彼女たちに寄り添うよう。