もっといい(元結)冷蔵庫通信35号

 昨日のお約束の『もっといい冷蔵庫通信』最新号であります。本当は虫がたくさんでてくる4月中旬に出そうと思っていたのですが、2カ月近く遅れてしまいました。


もっといい冷蔵庫通信VOL.35(2008.6)

一寸の虫にも五分の魂
【小さな者・弱い者でも、それ相応の意地や感情はもっているから、決してばかにしてはならない】  

 一寸は約3.03㎝ですが、この言葉では“どんなに小さくても、弱くても”の意。
 小説家内田百ケン『新方丈記』の中で、こんなことを書いています。
――虫には大きいもの小さいものもある事は承知しているが――小さいのはまたケシ粒をいくつにも割った位のもいる。あまり小さいのでどんな恰好をしているのかかよく分からないが、動きだすところをみると、自分が行こうと思う方向もあるらしい。よく見れば頭もある。従って顔もあるにちがいない。机の上などを這いだすとみえない所へ行ってしまうまで目を離すことが出来ない。そういう小さな生命にはかえって威厳のようなものがあって、指先で潰したりする気にはなれない。――
体の大きさと、命の大きさは比例しません。百ケンの優しさを学びたい、周囲は命満開の季節です。
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