問責って何だ?
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夕飯を食べながら家内と「問責って何の略だ?」と話して、辞書もしらべずに、
「きっと、問題責任の略だろうな」となった。
不安になったので『大辞林』を見た。
【問責】問い責(め)めること。特に責任を問い詰めること。
あははは。「問題の責任を取る」ではなく「問い責める」という、かなり過激な言葉の略であった。
相手の非を責めてばかりでは、何も解決すまい。責めれば、目には目をで、相手からも「ではあなたはどうなのだ!」と責められる。問責スパイラルである。
自己崩壊スパイラルに陥った青年らしくない青年(青年はもっと上昇指向の夢があってしかるべきだと50歳にして思う)が、多くの人の命を殺(あや)めた。それまでの人生でどこかでその悪しきスパイラルをくい止める材料はゴマンとあったはずだ。
坊主として、よりよい人生を歩むための材料の取り出し方を、今の時代に、うまく提示できぬものかと痛切に思う。
密蔵院の本堂の入り口には、身体と心を清浄にするための身体に塗るお香、塗香(ずこう)が置いてある。ここは、誰も問責したり、されたりしない空間である。
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