「行って来てくれないか?」

 外国人がなかなか使えない日本語として
「郵便局へ行ってきてくれないか」がある。「行く」のか「来る」のか。「くれない」という否定なのか「か」という疑問なのか……
 こんな言葉、文法的にいくら考えたって多分出て来ないだろうと思う。

 ところがこの「行って来る」というのが「如来」の意味だという。
 「真如(悟りの世界)」から来る=如来
 「真如へ去る」=如去(にょこ)
 もともとのサンスクリット語では「たたーぎゃたー」なのだが、どうもこの言葉が曖昧らしいのだ。「たたー+ぎゃたー」だと如来。「たた+あーぎゃたー」ごと如去という反対の意味になるらしい。

 悟りの世界に去りっぱなしではなく、そこからやってくるのが「たたーぎゃたー」なのだそうだ。ウルトラマンみたいだ。そう言えばウルトラマンは仏さまの顔がモデルというのは有名な話である。

 極楽の阿弥陀さまも極楽にいるだけでなくこの世にもやってくる(「環相(げんそう)と言います)。

 お盆もあの世へ「去った」先祖が、帰って「来る」のだな。

 やはり心も身体もどこかへ行きっぱなしではなく、現実のいう真実に帰ってこないと、問題は解決しないのだ。ぐははは。

 ちなみに冒頭の言葉は「郵便局へ行って(用事をすませて、それから戻って)来て(ほしいのですが、もしして)くれない(のなら仕方がないのですが、やっていただけますでしょう)か?」ということを言いたいのだそうだ。
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