風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

歯は大切に・続(親知らず物語)

2012-07-14 12:10:40 | 日々の生活
 親知らず(前から数えて8番目の歯で、第三大臼歯、英語でwisdom toothつまり知恵場・知歯)のことを、何故、こう呼ぶのか、ものの本によると(などと、つい口走りますが、実はサイトを見ると)、20歳前後で生えてくる歯(物事の分別がつく年頃になってから生えてくる歯という意味でwisdom toothと言うのですね)のため、平均寿命が40歳前後だった昔は、親が歯の生え始めを見ることがない、というのが由来だそうです。なるほど。親知らずは生え方によっては、一番奥にあって磨きにくかったり治療器具が届きにくかったりすることと、虫歯や歯肉炎になった場合に、手前の健康な歯(7番目の歯)を巻き添えにしてしまうこともあって、抜歯されることが多い、不憫な歯です。
 私の歯の総点検・治療も佳境に入って、いよいよ右下の親知らずを抜くことになりました。隣の奥歯との間に隙間ができて、虫歯を惹起しているためです。実は残りの3本の親知らずは、既に、斜めに生えて奥歯を圧迫している等の状態が散見されて、かれこれ四半世紀前に抜いて処置済みで、この最後の一本も、当時、抜いた方が良いと言われながら、埋没していたこともあって、ぐずぐず放ったらかしにして、今に至りました。
 手術はちょうど一週間前、先週土曜日に行われました。いざ始まると、局所麻酔とはいえ、途中で欠けたり割れたりして、手こずっているいる様子が窺われます。どうやら歯が骨に癒着しているためであることが説明され、その歯科医のところの器具では対処できないため、途中で投げ出されてしまい、別の歯科医院を紹介されました。仕方なく、止血用の脱脂綿を噛んだまま車で15分、外科用のより高精細なレントゲンで撮り直し、麻酔をやり直し、ドリルのようなもので癒着部分を切り離すのが、下顎にガンガン響いて、局所麻酔ではとても効かなくて、涙が出るほど痛くて、口を開けたままの状態が続いて顎が外れるとは言いませんが疲れて来るし、口は渇くし、久々に耐えられる限界に近づいた瞬間を味わいました。結果、一軒目で取り掛かってから二軒目で終えるまで、かれこれ2時間以上もかかる大手術(!)になりました。後から調べてみると、難度が高い場合には歯科口腔外科がある病院を紹介されることもある・・・ということです。
 そう言われてみると、最初の歯科医からは「骨折みたいなものだから」などと話しかけられた記憶が蘇りました。外科手術的に抜いたことによるダメージは小さくなくて、最初の3~4日は鈍痛が残り、今も、がっちり骨に食い込んでいた歯がすっぽり抜けてしまった空虚感なのか、骨が再生する過程なのか、顎の動きがぎくしゃくするような違和感が消えません。今日、抜糸したのですが、抜いた後は歯茎が盛り上がるまで暫く空洞になっているので、しっかりウガイするようにとアドバイスを受けました。後3ヶ月くらいは尾を曳きそうです。
 その間、抗生物質を飲む間は酒を飲むなと言われていたので、処方された丸々5日分、6晩にわたり禁酒を守り通しました。かれこれ20年、これほどの断酒は記憶になく、こちらの方が苦行となりました(苦笑)。習慣というものは、げに恐ろしい。もののサイト(もはや本とは言いません)によると、親知らずは、虫歯や歯周病になってからでは遅い、虫歯や歯周病になってからでは麻酔が効きにくくなる場合がある、若い時の方が親知らずを抜いた後の骨の回復が早い、抜く時期が遅いと親知らずが骨と引っ付いてしまって抜くのが大変になることがある、等の理由で、抜くなら生えてから出来るだけ早い方が良い(20歳前後が良い)というのが専門家の見解のようです。しかも、上顎よりも下顎の親知らずを抜く方が痛みや腫れが酷くなる傾向が見られるということで、親知らずを抜く・・・なんて、四半世紀前にサボったばかりに、この歳になって禁酒の苦行に耐えながらやることじゃないなあと、反省すること頻りですが、あとの祭り・・・。くれぐれもご注意ください。
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