風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

コロナ禍との戦い・続

2020-03-25 23:24:16 | 時事放談
 前回ブログで、北朝鮮が21日の朝、またしても短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体2発を日本海に向けて発射したが、トランプ大統領は新型コロナウイルスとの戦いで、それどころではない、と書いたら、トランプ大統領が金正恩委員長に親書を送ったというニュースが流れた。さすが予測困難な(と言い訳するつもりはないが)トランプ大統領の本領発揮だ。しかし、この際、必要なのは、暴発しかねない極東の片隅に住まう駄々っ子を掌の上で転がしてあやすことではなく(それも大事なことだが今は優先順位が下がるだろう)、またトランプ大統領お得意の一国主義的(America First)かつ二国間主義的な交渉スタイルを続けることでもなく、対コロナウイルス戦争と言う以上、同盟諸国や米中貿易戦争中の中国とも協力し、国際協調の範を示すことではないのか!?との思いで、前回ブログに書いたものだが、見事に裏切られてしまった(苦笑)。非常時においても、トランプ大統領はトランプ大統領らしく、自らも独裁者然と振舞うだけあって世界の独裁者と余程ケミストリーが合うようだし、中国共産党との間で、感染源はどっちだの泥仕合を繰り広げている。その他諸国は協調するというより、それぞれの事情に応じて外出禁止や国境封鎖など感染を食い止めるための孤独な戦いを続けている。
 こうした努力にもかかわらず欧米諸国が感染封じ込めにもたついている間に、一足先に国内の流行は概ね制御されたと公言する中国は、攻守ところを変えて、イタリアやイランへの支援提供を申し出ており、詰まるところ自由・民主主義諸国との間の体制間競争において自らの体制優位を誇示しようとしている。
 それだけに、自由・民主主義国陣営にあって、日用品スーパーのみならず、満員電車からレストランや各種娯楽施設まで概ね普通に営業させながら、一定レベルに「持ちこたえている」日本モデルは異例で、これ以上、中国に好き勝手言わせないための最後の砦として注目され始めた。闇雲に都市封鎖や行動制限など広く網を掛けるのではなく、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が打ち出したのは、(1)換気の悪い密閉空間、(2)多くの人の密集する場所、(3)近距離での会話、の三条件が重なる場所を避けるという大胆な絞り込みにより、クラスター感染拡大を抑止して医療崩壊を回避する狙いだ。確かに満員電車内は人が密集するけれども、ほとんどの人はマスクをして無言でスマホと睨めっこし、駅に停車する度に扉が開いて外気が流れ込み、あるいはエアコンによる意識的な換気が行われるというように、三条件に合致しない。
 そうは言っても、今日41人の感染が判明した東京都はオーバーシュートの懸念がさらに高まっていると強い危機感を表明し、今週末の不要不急の外出自粛要請への協力を求めた。東京オリパラの延期が決まったのも誠に残念なことだが、せめて緩い対策ながらも「持ちこたえる」日本人の矜持を世界に示したいものだと思う。

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